介護施設での事故を介護ロボットで防げるか

介護をしていると、歩行中の転倒やベッドからの滑落など大小問わずさまざまな事故が発生します。これらの事故は、どのような対策をすれば防げるのか?また、介護ロボットの導入により事故を防げるのか気になる方も多いと思います。
本記事では、介護事故を防ぐためのリスクマネジメントや、介護ロボットの導入による効果について解説していくので、事故対策の参考にしてください。
介護事故を防ぐ取り組み・リスクマネジメント
ほとんどの介護施設では、事故を防ぐための対策やルール作りが行われていると思います。しかし、どれだけしっかりとリスクマネジメントを行なっていても、事故が起きてしまうのが介護現場です。
最大限の対策をしていても人間の動きを100%予測するのは不可能ですし、利用者ひとりひとりに介護者がついていても防げない事故もあります。
そのため、介護事故を0にすることを目指すのではなく、事故が起きた際の被害を最小限にする取り組みに注力しなければいけません。
転倒転落事故を防ぐため介護ロボットを導入した事例
冒頭で挙げた介護ロボットで介護事故を防げるのか?といった悩みについては、介護ロボット「見守りライフ」を導入した施設の声をもとに解説していきます。
まず、結論から言うとシステム導入後は「転倒リスクの高い利用者の転倒事故などが大幅に減った」という声が現場スタッフから多数挙がっています。
導入事例: 吉祥会 介護老人福祉施設 寒川ホーム 様, 医療法人泰玄会 介護老人保健施設みなみ 様, 富田林特別養護老人ホーム 富美ヶ丘荘 様
離床センサーと連携した見守りシステムによって、素早い対応が可能になっただけでなく、訪室せずともモニターを活用した見守りやモバイルデバイスを使った見守りができるため、巡回や訪室の回数を減らしたうえで転倒事故の発生を防げているといいます。
離床センサーの機能によって利用者の睡眠状況や生活習慣の把握が容易になったため、介護の質が改善・スタッフの負担軽減にも大きな効果が見られているようです。
導入事例:介護老人保健施設 けんこう・ふらの 様
介護ロボットではなく、人の手で行なう事故防止もある?
介護ロボットの導入は、介護事故防止に高い効果を発揮することが分かりました。
ただし、人の手を使った根本の対策がしっかりとしていなければ最大限の効果を発揮するのは難しいので、介護ロボットの導入とは別でしっかりと対策を立てましょう。
ここでは、人の手で行う事故防止対策で効果的な2つを紹介していきます。
介護事故防止マニュアルを作成する
1つ目の対策は、介護事故防止マニュアルの作成です。
介護事故防止マニュアルとは、普段感じるヒヤリハットや過去に起きた事故の内容をもとに作られた、介護事故を防止するためのマニュアルです。
ベテランスタッフの経験や意見を取り込んだマニュアルがあれば、若手スタッフでは予知できない危険を共有できるので、経験不足による事故を防げます。
また、マニュアルに事故が起きた際の対応(役割分担など)が記されていれば、迅速な対応が可能となり被害を最小限に抑えることができるため、内容に盛り込んでおきましょう。マニュアルがあれば、事故が起きた場合に人為的なミスなのかシステムエラーなのか判断もしやすくなるので、PDCAが回しやすくなり事故防止の効果も高まります。
定期的な更新をすることで、利用者に合わせた最適な対応ができるようになるので、担当者を決めて更新をしてもらうのがおすすめです。
事故報告の義務化
2つ目の対策は、事故報告の義務化です。
事故が起きた際の報告を義務化していなければ、自己判断で報告をしない可能性があるので、明確な報告義務を示しておきましょう。
当事者からすれば事故をおおごとにしたくないので、極力穏便に済ませたいのが本音だと思います。ただし、それではなぜ事故が起きたのか原因を分析することもできませんし、他の人が同じ失敗を犯すかもしれません。事故が多発すれば利用者からの信頼も失いますし、重大な事故へ繋がるリスクも増加してしまいます。
介護事故を防ぐ見守りライフとは
見守りライフとは、利用者の起き上がりや身体データを取得できる高齢者見守りシステムです。離床センサーや見守りカメラとICT技術を組み合わせて活用することで、利用者の見守りや業務の効率化をサポートしてくれます。
システムの導入によりサービスの質向上はもちろん、スタッフの負担軽減にも大きな効果があるので、人手不足でお悩みの方や業務効率の改善でお悩みの方はぜひ導入を検討してみてください。
まとめ
介護事故を防ぐための取り組みや介護ロボットの導入で得られる効果について解説しました。
実際に介護ロボットを導入した施設の事例をご紹介し、事故防止に大きな効果があることがわかったと思います。
人力だけでは補えないような課題も、テクノロジーの力を使うことで解決できるので、事故防止対策の一環として介護ロボットの導入を検討してみてください。