介護施設向けのおすすめ見守りセンサーをご紹介
見守りセンサーとは、介護施設での安全と健康を管理する効果的な機器であり、安全性向上、早期異常検知、介護者の負担軽減が期待できます。今回は、介護施設での導入が進んでいる見守りセンサーの種類や導入メリット、製品事例などを詳しく解説します。
1.介護の現場で使われる「見守りセンサー」とは?
見守りセンサーは、音や光、赤外線や超音波、重さ、カメラなどを通して利用者の状況をスマホやPCなど遠隔から確認ができるものを言います。
主に介護の現場で使用され、高齢者や身体的な制約のある方の安全と健康状態を守ります。
見守りセンサーは、様々な種類があり、ベッド、車椅子、ドア、窓、床などに取り付けることができます。これらのセンサーは、さまざまなデータを収集し、利用者の状態や活動を追跡します。
例えば、ベッドセンサーは、寝返りやベッドからの離床、万が一の転落を検知し、異常な活動や不規則な睡眠パターンに気づく手がかりとなります。ドアや窓のセンサーは、開閉の検知や不正な出入りを警告します。また、床に設置されたセンサーは、転倒のリスクの把握に役立ちます。
見守りセンサーによって得られたデータは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを介して介護者や医療スタッフに送信されます。
見守りセンサーは、高齢者や身体的な制約のある人々の安全性を向上させるだけでなく、緊急事態の発見にも役立ちます。例えば、センサーが異常な活動や転倒を検知すると、通知を発します。これにより、介護者や医療スタッフが迅速に対応し、必要なケアを提供することができるのです。
2.介護施設で使われる見守りセンサーの種類と特徴
見守りセンサーの種類は、検知方法や設置場所、価格などが種類、商品によって異なります。
介護施設で使われる見守りセンサーには、次のようなものがあります。
ベッドセンサー
ベッドセンサーは、ベッドやマットレスに取り付けられるセンサーで、寝ている人の動きや状態を検知します。身体に負担をかけない方法で情報を収集できるため、快適でプライバシーを尊重したモニタリングが可能です。
寝返りの回数やベッドからの出入り、長時間の睡眠や離床などを検知し、ベッドからの転落予防や不眠・寝たきり状態の早期発見に役立ちます。
また、寝返りやベッドからの落下を検知し、介護者に通知を送信します。これにより、寝たきりの利用者の安全性を向上させ、早期のケアや支援を提供することが可能になります。体動をモニタリングすることで、睡眠パターンの変化や不規則な活動を検知し、不眠や不安の問題を把握し適切な対策を講じることもできます。
マットセンサー
マットセンサーは、主にベッドサイドの床に設置するセンサーです。対象者が乗るなどして荷重がかかったときにセンサーが検知し、スタッフに知らせます。部屋の出入り口などにマットを設置すれば、部屋の出入りの把握に使用することができます。立ち上がりを検知するだけでなく、転倒した際には迅速に通報することが可能です。
赤外線センサー
赤外線センサーは、人の動きを非接触で感知するために使用されます。赤外線を放出し、その反射を検知することで人の存在や動きを感知します。主にベッド近くの壁などに設置をします。
赤外線センサーは高い感度を持ち、微細な温度変化を検知することができます。また、非接触で動作するため安全性が高く、プライバシーを保護することができます。
介護現場では、利用者の活動を検知する際に使用されます。例えば、利用者がベッドから起き上がり、赤外線の検出範囲に入ったときにナースコールで通知が届きます。
バイタルセンサー
バイタルセンサーは、人の生体情報を検知するために使用されます。心拍数、呼吸数、体温などを計測し、リアルタイムでモニタリングします。
これにより、患者や高齢者の健康状態を監視し、体調の急変や異常値を早期に発見することが可能になります。
バイタルセンサーは睡眠中の異常や不規則なパターンを検知するため、不眠や睡眠障害の問題を把握し、適切なケアプランを立てることができます。
カメラセンサー
カメラにてベッド上、居室の利用者の状況を検知する見守りセンサーです。居室内全体をカメラが撮影しているため、どのような状況に利用者がいるか、訪室せずとも簡単に把握ができます。しかし、プライバシーの問題からカメラの導入には、同意書が必須であり、利用者本人や家族からの許可が得られず、導入に時間がかかるケースが多いです。常に見張られているという感覚があるためです。
しかし、製品によっては、利用者のシルエットのみを表示したり、カメラの映像は顔にモザイクをかけたりなどプライバシーに配慮した映像で見守りすることが出来るセンサーがあります。
3.「見守りセンサー」による効果とは?
介護施設が「見守りセンサー」を導入することによって以下のような効果が得られます。
安全性の向上
見守りセンサーが体調の変化や転倒などを即座に検知することで、利用者の安全性が大幅に向上します。重大な事故を未然に防ぐことが可能になります。
また、センサーが異常な動きや転倒を検知し、介護者にアラートを送信することで、迅速な対応が可能となります。これにより、事故やケガのリスクを減らし、安全な環境を提供することができます。
早期の異常検知と対応
見守りセンサーが異常を検知した際、すぐにスタッフに通知されます。
例えば、バイタルセンサーによって心拍数や体温の異常を検知し、異常値を超えた場合には、介護者に通知することができます。これにより、健康問題や緊急事態への迅速な対応が可能となります。
介護者の負担軽減と効率向上
見守りセンサーによって、介護者は個別の利用者に費やす時間を減らすことができます。センサーが異常を検知しアラートを発するため、介護者は必要なケアに集中することができます。介護者の負担が軽減され、効率的な業務遂行が促進されます。
利用者を24時間見守ることは、物理的・精神的な負担が大きいものです。見守りセンサーの導入により、見守り業務が自動化され、スタッフの負担を軽減します。
また、人手による24時間の監視は十分な人材の確保が難しい上コストが高くなりがちですが、見守りセンサーの導入により、人件費の削減や業務効率の向上を実現できます。
プライバシーの尊重と自立支援
センサーの種類や配置、設定によって、患者のプライバシーを最大限に保護しながら、必要なサポートや介助を提供することができます。これにより、患者の自立性を尊重し、自己決定能力を促進します。
介護施設での生活をより自立したものにし、かつ安全を確保することで、高齢者の生活の質(QOL)が向上します。
緊急事態への迅速な対応
見守りセンサーが異常を検知すると、介護者に即座にアラートが通知され、転倒や体調変化、緊急事態に迅速に対応できるようになります。早期の対応は、重大な問題の防止や患者の安全確保につながります。
これらの効果は、介護施設が提供するサービスの質を高めるだけでなく、高齢者自身の安心感や生活の質を向上させることにも寄与します。また、介護スタッフの負担軽減により、より心の通った介護やコミュニケーションに時間とエネルギーを割くことができるようになります。
4. 導入前に注意すべきポイントとは?
介護施設が見守りセンサーを導入する前には、以下のポイントに注意することが重要です。
製品の性能
介護施設における事故で最も多いのは「転倒・転落・滑落」です。
転倒は、ベッドからの離床後の移動時に発生しやすいです。利用者の状態の検知スピードが遅い場合、介助が間に合いません。これらを未然に防ぐために反応スピードが速く、正確なものを選びましょう。
個人のプライバシーと倫理
見守りセンサーの導入にあたり、個人のプライバシーや倫理的な問題について慎重に考慮する必要があります。センサーの配置やデータの取り扱いにおいて、利用者のプライバシーを尊重し、適切な倫理基準を守るように注意しましょう。
利用者のプライバシーを尊重するために、センサーが適切な範囲で情報を収集するような設定や管理が必要です。
利用者の同意と情報提供
見守りセンサーの導入に際しては、利用者の同意を得ることが重要です。利用者やその家族とのコミュニケーションを通じて、センサーの目的と利点について十分な情報提供を行い、理解と同意を得る必要があります。
導入の目的やセンサーがどのように機能するのか、どのようなデータを収集し、どのように使用されるのかを事前に説明しましょう。
センサーの適切な配置と調整
センサーは、特定の活動や行動を検知するために正確に設置されなければなりません。センサーの感度や設定を適切に調整し、誤検知や誤動作を最小限に抑えるように注意しましょう。
また、センサーは適切な場所に設置される必要があります。不適切な場所への設置は、誤検知の原因となることがあります。
選択するセンサーの信頼性と精度を確認することも重要です。誤検知が頻繁に起こると、利用者やスタッフの信頼を失い、逆にストレスを増加させることになってしまいます。
データのセキュリティとプライバシー保護
見守りセンサーは利用者のデータを収集し、処理するため、データのセキュリティとプライバシー保護に注意しなければなりません。データの収集、保存、転送、削除などの適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
収集したデータは適切に保護され、不正なアクセスや流出から守られる必要があります。
スタッフトレーニングと運用方針
スタッフには、見守りセンサーの効果的な使用方法や適切な対応策に関するトレーニングが必要です。運用方針を明確にし、センサーデータのモニタリングやアラートへの対応方法について、スタッフは理解していなければなりません。
これらの注意点を考慮することで、見守りセンサーの導入により得られる効果を最大限に引き出すことができるようになるでしょう。
5.タイプ別の見守りセンサーの事例
バイタルタイプ
実際の介護施設では、どのような見守りセンサーが使われているのでしょうか。
代表的な見守りセンサーと弊社の見守りセンサー「見守りライフ」をご紹介します。
例① A社:センサータイプの見守りセンサー事例
A社の見守りセンサーは、介護施設の居室状況をリアルタイムに把握し、入居者の事故や発見遅れを防止することで、スタッフの負担を軽減します。
異常温度の検知、離床行動、ドア開閉、夜間行動、ベッド不在、トイレ利用などの基本的な行動を監視します。
Wi-Fiや電気工事が不要で導入が容易であり、低コストで利用できます。センサーの設置はベッドやドア、トイレなど、目的や予算に合わせて選択できます。
例② B社:バイタルタイプの見守りセンサー事例
B社の見守りセンサーは、バイタルセンサーを使用した介護用見守りシステムであり、入居者の睡眠状況や呼吸数、心拍数、在離床の監視が可能です。
ベッドセンサーを通じて離床行動を検知し、アラームで通知する機能も備わっています。入居者の睡眠状況を可視化し、個別のケアプランを立てることができます。また、スタッフの業務負担を軽減し、入居者の生活リズムの改善にも役立ちます。
マットレスの下にセンサーを設置することで体動を測定し、睡眠状態を把握します。測定データは自動的に内蔵メモリーに記録され、パソコン上の管理画面で閲覧可能。入居者の状態変化をリアルタイムに確認できるため、安心な見守りとタイムリーな介護をサポートします。
入居者の状態を一覧表示するリアルタイムモニター機能や、睡眠日誌・呼吸日誌によるデータの記録と分析ができます。
例③ C社:カメラタイプの見守りセンサー事例
C社の見守りセンサーは、カメラを使用した高齢者施設の見守りシステムで、リアルタイムに生体情報を解析・表示し、個別アラート機能によって転倒事故などの予兆段階を把握します。
独自アルゴリズムによるデータ解析や月次レポートの出力により、入居者の家族への状況報告や医師の処方の参考として活用できます。また、クラウド上に情報を集約することで、施設スタッフと家族の間で睡眠に関する情報共有が可能です。
介護記録システムとの連携や各種デバイスとの連携も可能です。ベッドセンサーや人感センサー、温湿度センサー、転倒検知システムなどの機器と連携し、個別の見守り環境を構築できます。睡眠の質を改善する目標が明確化され、利用者の健康管理に役立ちます。
カメラタイプ
例④ D社:カメラタイプの見守りセンサー事例
D社の見守りセンサーは、センシングカメラによって、入居者の部屋の状態や生活リズムをリアルタイムで把握します。
映像センサーや体動センサーなどのセンシング技術を活用し、室内の人の動きや睡眠の傾向をレポート化。実証事例では、巡視時間を91%削減するなどの成果を上げています。睡眠データから活動量やトイレ時間の傾向を把握し、夜間の転倒事故防止にも役立ちます。
また、排泄センサーとの連携により、トイレの入退室時間や排泄状態を自動的に検知し、データ保存することも可能です。
他社の機器との連携も容易で、介護記録や介護ロボット・センサーなどを1つの端末で統合管理することができます。
例⑤ E社:バイタルタイプの見守りセンサー事例
E社の見守りセンサーは、利用者の自立度に応じたカスタマイズが可能です。
離床や睡眠だけでなく、室温や脈拍数などの健康管理に必要な情報を細かくチェックすることができ、異変に備えることができます。
専属のセンサーが各居室に設置されており、室内の状況をリアルタイムに把握し、必要な情報のみを通知。
PC画面で室内の状況一覧を確認し、スマホの画面には利用者情報や睡眠状態、平均睡眠スコアなどのデータが集約されます。
施設全体を一目で確認し、居室のセンサーを通じて室内の状況をリアルタイムに把握し、必要に応じてアラートを発信することも可能です。
センサータイプ
例⑥ F社:バイタルタイプの見守りセンサー事例
双方向通話のナースコールやカメラ不使用の運動量測定、AIによる離床時間予測など、独自の機能を備えています。居室センサー、ベッドセンサー、ナースコール、呼び出しボタン、ドアセンサーなどと連携し、スタッフの効率向上やプライバシーへの配慮を実現します。センサーデータはリアルタイムに監視され、異常が検知されるとアラートが通知されます。
データのグラフ化やカスタマイズ可能な設定により、個々の利用者の状態やケアニーズに適したサービスを提供できます。
例⑦ トーテックアメニティ株式会社:センサータイプの見守りセンサー事例(見守りライフ)
見守りライフは、介護施設向けの見守りシステムで、主な効果は「転倒・転落のリスク低減」と「職員の負担軽減」です。このシステムは、離床センサーやカメラなどの機器を利用して、高齢者の動作や状態を24時間365日見守ることができます。
見守りライフの特長は、優れた離床センサー機能です。離床だけでなく、ベッド上での利用者の姿勢や動き、さらには離床の前兆も検知できます。そのため、転倒や転落の予兆を素早く察知し、迅速な対応を可能にします。高い反応速度と低い誤報率により、高い安全性を実現します。
見守りライフでは、複数のセンサーの状況を一覧表示で確認できます。利用者の状況は色や形で分かりやすく表示され、複数の利用者を同時に見守ることができます。また、センサーが収集したデータはグラフや表で表示され、合理的なケアプランの見直しや利用者の状態把握に役立ちます。
6.より良い介護のために「見守りライフ」を
トーテックアメニティの介護用見守りシステム「見守りライフ」は、一般的な見守りセンサーとは異なる特長を持っており、入居者と介護従事者の両方に多くのメリットをもたらします。
「見守りライフ」は、ベッド脚下に設置された荷重センサーによって、ベッド上の荷重の分布や重心位置を検知します。これにより、離床だけでなく、動き出し、起き上り、端座位などの先行動作も検知できます。荷重センサーは反応が速く、誤報が少ないという特徴があり、正確な情報を得ることができます。さらに、体重測定の機能も搭載されており、入居者がベッド上にいる状態で体重測定が可能。大幅な業務の軽減につながります。
システムには離床の先行動作の検知やベッド戻り通知の機能もあります。スマートフォンやPC、ナースコールへ通知します。遠隔から入居者の様子をリアルタイムで確認し、訪室の判断や転倒・転落の原因分析に役立てることができます。
また、カメラ機能もあるためスマートフォンを通じたライブ映像機能やパソコンでの映像記録機能も備えており、遠隔から居室の状況を確認したり、アラート発生時の判断や転倒・転落の経緯説明に活用したりできます。
入居者にとっては、見守りシステムの存在に気づくことなく、ストレスのない快適な生活を送ることができます。センサーマットと違い、コードなどを避ける必要がないため、躓くこともありません。また、訪室回数が最小限に抑えられるため、入居者のプライバシーを尊重しながらも適切な支援が提供されます。さらに、システムによって検知される機微な変化に対して、介護従事者が迅速に対応してくれるため、入居者の満足度も向上します。
介護従事者にとっても、「見守りライフ」は優れた機能を提供します。利用者の動作をリアルタイムで検知するため、必要なタイミングで訪室することができ、無駄のない対応が可能になります。また、各入居者の行動データを取得し、統計データやグラフ化できるため、正確な24時間シートの作成や入居者の家族への報告が行えます。
「見守りライフ」は、入居者と介護従事者の両方にとってメリットが大きく、より安全で快適な介護環境を実現します。