1. TOP
  2. blog
  3. 離床センサー 見守りシステム
  4. 介護士の視点で見る見守りセンサーの選定方法

blog

介護士の視点で見る見守りセンサーの選定方法

介護士の視点で見る見守りセンサーの選定方法

世の中には見守りセンサーと呼ばれる機器が多く出回っており、導入を検討する際に何を基準に選べばいいのかわからないといった悩みを抱えている事業者様も多いのではないでしょうか。

本記事では、弊社主催のウェブセミナーで社会福祉法人元気村グループ支援本部の永尾様にご講演頂いた『介護士の視点で見る見守りセンサーの選定方法』の内容をご紹介いたします。 多くの方にご視聴頂き、大変好評であったため再放送もさせて頂いた講演です。 これから見守りセンサーの導入をご検討される事業者様のご参考にして頂けますと幸いです。

目次

「見守りライフ」製品サイトはこちらから

見守りセンサーと離床センサ―の違い

「見守りセンサー」と「離床センサー」、この2つには明確に定義があるわけでなく、介護の現場だとほぼ同じ扱いをされてしまっている現状です。

元気村グループでは、下記のように区別されており、離床検知以外の機能やデータ表記、状態の視覚化など、離床検知+αの機能があるセンサーを見守りセンサーに分類しています。



正確性と速度

センサー類を選定する際、介護士として「正確性」と「速度」を最も重視しています。

誤報が少ない「正確性」、起き上がりや離床などのアラート通知にタイムラグがない「速度」、どちらも重要。どちらか一方だけのセンサーでは、介護士の業務負担は減るどころか逆に増えてしまいかねません。

20年前の夜勤の転倒注意者に対するケア

20年前のケアは、今とは異なり利用者のプライバシーへの配慮がまだまだ弱かったように思います。特に夜勤の「転倒注意者に対するケア」に関してはかなりシビアで、絶対に怪我をさせないために布団に鈴をつけたり、ベッドの柵を4点にするなど「プライバシーを度外視」したケアを行うこともありました。

また、今と違い見守りセンサーなどもなく、職員の工夫と頑張りで対処する事しかできなかった時代でもありました。

離床センサーの活用

そんな時代から、離床センサーの導入が進みナースコールに通知するスタイルへ変わっていきました。

利用者が起きたらナースコールが「鳴る」、鳴ったら「訪室」するという流れに変わり、鈴などのように聞き逃しがなく楽になったと当時は思っていました。

しかし、離床センサーの精度も悪く、ナースコールが鳴ってから訪室しても寝ている、寝返りで鳴ってしまうなどの「誤報」が多くあり、その度に訪室する事が逆に負担になっていました。

「速度」は良かったのですが、「正確性」に問題があった時期ですね。

また、介護用品のマット型センサーなどは高額で、それほど多く購入できない状況もありました。そこで、安価なドアホーンセンサーなどの人感センサーで、音が鳴るタイプのものを使用する事が多くなりました。

一度でも転倒された利用者にはセンサーを設置するという流れができており、設置は安易でも外すことには躊躇してしまうため、設置台数がどんどん増えてしまいます。

ある施設では、最終的に1フロアーで13個の人感センサーを使用し、音の種類によってどの利用者か判断する「職人級のスキル」が求められる状況になっていました。


「鳴ったら、訪室」から「鳴る→見る→訪室」へ

そもそも、「鳴ったら、訪室」というスタイルを変えない限り、訪室数を減らして効率化を図ることは難しいのではないでしょうか。そこで「鳴る→見る→訪室」のスタイルを構築する事で訪室を減らしていけるのではないかと考え機器選定を進めました。

「鳴る→見る→訪室」のスタイルを実現するために、「映像」「シルエット」「アイコン」の3タイプのセンサーで、わかりやすさ、プライバシーへの配慮、価格をポイントに機器選定を行いました。

まずは、安価なもので「鳴る→見る→訪室」のスタイルを構築できるかを検討したいため、「アイコン」タイプの見守りライフを導入することに決めました。

営業ではありませんが、見守りライフは「正確性」と「速度」に関して、施設デモで高評価を受けた事もあり導入に至りました。

「見守りライフ」製品サイトはこちらから

見守りライフの導入

実際に「見守りライフ」を全床導入した施設の状況をご紹介します。

施設形態:単独ショートステイ ベッド数24床(1フロアー)
夜勤:1名体制

センサー導入前の夜間の「転倒注意者」の対応は、詰め所付近の居室で離床センサーを使用し鳴ったらダッシュで訪室している状況でした。

導入直後から3ヵ月後の変化

まず、現場に定着させるためには3ヶ月は必要であると考えてください。

導入直後の状況は、アイコンで状況はわかるとはいえ、実際の状態を見て確認できるわけではないため、機器を信用しきれず導入前とあまり変わりませんでした。「正確性」を認識できない時期であったと考えられます。

導入して1ヶ月が経過すると、アイコンを「見て」確認し、余裕をもって訪室できるようになりました。見守りライフは利用者の状態に合わせて『動き出し』『起き上がり』『端座位』『離床』から個別に通知タイミング選べる点が効果的でした。

この頃から、センサーと利用者の実際の状態がマッチしていることが現場に浸透し、「正確性」を実感できるようになりました。

導入して3ヵ月後には、アイコンで「見て」確認することと、バイタルデータも確認できることから、不要な訪室を避けられるようになりました。その結果、利用者から「良く眠れたわ」などのご意見を頂くようにもなりました。

重要なのは、「アイコンが示している状態」と「実際の利用者の状態」がリンクしている事を職員が体感することだと思います。

転倒事故件数は減ったのか?

見守りセンサー導入したことで転倒事故件数は減ったかというと、一定数減っています。ただし、夜勤を1名で行っている以上、対応が間に合わずに発生する事故はまだあります。

センサーから得られたデータを活用しきれていない面もありますので、今後はデータの活用でより安全なケアを行っていけるように努めていきたいと思います。


「鳴る→“映像”を見る→訪室」で訪室数減

業務効率化(訪室数減)の観点で使用状況をみると、「鳴る」→「見る」に慣れてきても訪室回数の変化はあまりない状況です

冒頭で述べた通り、今も昔も転倒させてはいけない責任感に変化はありません。その責任感から「もしかすると」が生まれてしまうので100%機器を信用できず、「見る」は出来るようになったが全ての通知に対し「訪室」をしている現状は変わらなかったようです。

アイコンセンサーで夜勤職員の精神的不安はぬぐえていますが、業務効率化(訪室数減)には繋がっていない状況です。

更に改善を進める為にアイコンタイプのセンサーの課題を共有いたします。

アイコンタイプのセンサーの場合、「映像」で確認できていないため「100%の確証が得られない」という事になります。確証を得る為には「映像」での可視化へ移行していく必要があると考えています(*)

確証を得るためにはリアルタイムの状況を目で見ることができる「映像」タイプのセンサーとなります

(*)見守りライフには現在、リアルタイムで居室の状況を確認できるカメラオプションがあります。

「転倒」を検知するシステムはNG

しかし、調べてみると「映像」タイプのセンサーは「転倒」をより早く検知するシステムが多い現状です。違和感がありませんか?介護士の視点から見ると「転倒」したらダメなんですよね。

どの施設でも転倒を予防する事に力を入れているため、ベッドから離れる前の起き上がりなどの状況で対応するためにセンサーを使用していると思います。

また「映像」タイプのセンサーは「速度」が実用できるレベルではないなと感じてもいます。

介護士が求めるカメラ×AIの動き

見守りライフ並みの通知速度で、手元のデバイスで映像が確認できるシステムがあるといいかなと思っております。


図のようにカメラで撮影した動画を即時にAIが分析し、あらかじめ設定していたパターンになったら「通知」します。

職員が携帯しているスマホ画面からリアルタイムの映像を確認でき、訪室の必要性を「映像」を見て判断します。動きながら確認をする事を前提に、スマートウォッチも使用できればなおいいですね。必要時のみの訪室となるため、特に夜間の訪室回数の削減につながると考えております。


まとめ

まとめとなりますが、「正確性」と「速度」と冒頭で説明させて頂きましたが、導入する施設の事業によって重視する点は変わってくると思います。

これから「見守りセンサー」を導入検討される施設におかれましては、施設形態と機器の特性を理解した上で導入をご検討ください。


見守りライフ『ワッチ』

ここまで元気村グループの永尾様の講演内容を記事にまとめさせて頂きましたがいかがでしたでしょうか。

「映像」タイプのセンサーを元気村グループ様でも開発中とのことでしたが、業務効率化を図るために必要だと考えている施設様も多いのではないでしょうか。

トーテックアメニティの見守りライフでも、2022年7月に新機能見守りライフ「ワッチ」がリリースされました。見守りライフのアラート通知時に、アイコンだけでなく「映像」で確認できる機能です。「鳴る→“映像”を見る→必要時訪室」を実現できる機能となっておりますので、業務効率化や職員の負担軽減にぴったりなオプション機能となっております。また、録画機能も搭載しておりますので事故発生時のエビデンスとしてもご活用頂けます。

見守りセンサーをご検討の際は、元気村グループ様の経験談をご参考にして頂き、「鳴る→“映像”を見る→必要時訪室」を目指してみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

見守りライフに関する
相談をご希望の方はこちら

検討に役立つサービス概要資料を無料でご利用いただけます