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介護職の人間関係は悪い?原因と改善するためのポイントとは

介護職の仕事における心がけとは?高齢者の生活を支える5つのポイント

人間関係の問題は介護職において離職の要因の1位です。この記事では、介護職場での人間関係の改善方法や職員同士の円滑なコミュニケーションのポイントを紹介します。現場でのストレスや悩みを軽減し、良い職場環境を築くためのアイデアをお伝えします。

目次

  1. 1.介護離職率と人間関係
    1. 介護の離職率の原因
  2. 2.介護職の人間関係が悪くなってしまう理由
    1. 年齢層の違い、女性の多い職場
    2. 前職の仕事がさまざま
    3. 多職種との連携が多い
    4. 利用者や利用者の家族と密接に関わる
    5. 慢性的な人材不足による業務過多
  3. 3.人間関係を良くするための方法
    1. 個人で心がけるべきこと
    2. リーダーや管理職が行うべきこと
    3. 施設で取り組むべきこと
  4. 4.まとめ

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1.介護離職率と人間関係

多くの方が「介護職はしんどい」「介護現場の人間関係で苦労する」「人間関係が悪い」といった否定的な意見を耳にしたことがあるかもしれません。 介護職では、なぜ人間関係に悩んでしまうのでしょうか。また、離職の動機についても考えてみましょう。

介護の離職率の原因

介護業界では人手不足が常に課題とされています。事業所としては、スタッフにはできる限り長期間、安定して勤務してもらいたいと願っています。

介護の仕事を辞めてしまうのは、なにが原因でしょう。 「仕事の負担が大きい」「給与への不満」「結婚や出産といったライフイベント」といった理由がよく挙げられます。

しかし、実際には介護現場での離職において「人間関係」が最も大きな要因であることをご存知でしょうか。

介護職において人間関係の問題は大きな問題で、放置して良い問題ではありません。下記のグラフは離職の要因をまとめたグラフです。最も多い要因は「職場の人間関係に問題があったため」。次いで「法人や施設・事業所の理念や運営の在り方に不満があったため」、「収入が少なかったため」となっています。

介護離職率の要因

参照元:令和4年度「介護労働実態調査」結果の概要について

介護の現場では、職員同士、上司と、利用者と、様々な「人」と触れ合う職種です。介護の現場では高い離職率が問題となっています。人間関係の悩みが大きな要因として挙げられます。

職員同士のコミュニケーションが円滑ではない場合、ストレスや精神的負担が増大し、結果として離職や転職へとつながることがあります。 これらの問題に対処し、職場の人間関係を改善することが、離職率低下のカギとなるでしょう。

 

2.介護職の人間関係が悪くなってしまう理由

なぜ介護職では人間関係の悩みが生じてしまうのでしょうか。その理由を探ってみましょう。

年齢層の違い、女性の多い職場

介護職は年齢層が多岐にわたる点も特徴として挙げられます。

以下は介護職の労働者の年齢割合をグラフにしたものです。

最も多い年齢は「45歳以上50歳未満」が15.1%で最も高く、次いで「50歳以上55歳未満」が14.2%です。平均年齢を求めると48.0歳となっています。

介護職の年齢割合・性別

参照元:令和4年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書

また、介護職の性別は男性が22.1%、女性が73.5%となっていて、女性が半数以上を占める割合です。

介護現場は、20代から長年介護現場でキャリアを重ねた60代の方までさまざまな方が働かれています。

介護職は年齢層が高く、女性が多く活躍されている環境だと言えます。

 

前職の仕事がさまざま

仕事 内容は「介護・福祉・医療関係以外の仕事」が 63.7%で最も高く、次いで「介護関係の仕事」が 47.9% となっています。介護業界未経験からの介護職への転職も多いため、さまざまな価値観や職業観をもった方が働いています。

そのため、多様な価値観が交差し、意見の衝突が起こりやすいと考えられます。

介護前職の仕事

参照元:令和4年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書

 

多職種との連携が多い

介護施設では、介護士、看護師、管理栄養士、相談員、リハビリ職など様々な職種と連携しながら働く必要があります。役割の違いから、優先すべき仕事内容の違いや、利用者へのケア内容も異なるため対立してしまうケースもあるようです。

 

利用者や利用者の家族と密接に関わる

介護職は利用者のケアを行うのが仕事です。利用者のさまざまな要望にも応えつつ、対応しなければなりません。利用者からの暴言や暴力を受けてしまうケースもあります。

また、利用者のご家族からのクレームや過剰な要求など、精神的に疲労し、負荷がかかる場面が多いです。職員同士だけでなく、利用者とその家族との人間関係も問題としてあげられます。

 

慢性的な人材不足による業務過多

介護業界は慢性的に人手不足と言われていますが、その影響は非常に大きいです。

一人当たりの業務量が増え、余裕がなくなる。十分なコミュニケーションがとれずに、すれ違いが発生してしまうことがあります。また、仕事が常に忙しく業務量が多すぎると、余裕がなくなり、他者を思いやる気持ちが薄れてしまいがちです。職員が十分な休息ができる、仕事に余裕をもって取り組むことができる環境に整えなければなりません。

これらの問題に対し、取り組み、成功している施設もあります。

見守り機器やICT機器などを導入し、間接業務を減らし、業務量を減少させ、職員が余裕をもって仕事を行えるようになった事例があります。

いままで紙に書いていた内容をシステムで管理できるようになり、誰でも必要な情報が必要な時に得ることができます。見守り機器はシステム上で、居室の状況が即座にわかり危険な状態を通知してくれるので、結果として不要となってしまう訪室回数を減少させることだけではなく、居室の状況をリアルタイムで把握することができるため職員の安心に繋がります。

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介護人間関係

 

3.人間関係を良くするための方法

では、具体的にどのように人間関係をよくすれば良いのでしょうか ?

介護の仕事は利用者と密接に関わるため、適切なコミュニケーションが重要です。コミュニケーション能力が不足していると、利用者や同僚との摩擦が生じやすくなります。また、職場の雰囲気が悪化すると、働きにくい環境になり結果的に離職者が増加します。これらの問題に対処するためには、定期的なコミュニケーション研修やチームビルディング活動など、職場全体での取り組みが必要です。

職員同士のより良い人間関係の職場づくりを行うには、「個人で心がけること」「リーダーや管理職が行うべきこと」「施設で取り組むべきこと」の3つが必要です。

 

個人で心がけるべきこと

良好な人間関係の土台を築くためには、以下の基本的なアプローチが有効です。挨拶、返事、労いや感謝など当たり前のことですが意識して取り組みましょう。

以下のことは、職員だけではなく、管理職の方も全員意識して取り組みましょう。 基本的なことではありますが、良好な人間関係を築き、職場の雰囲気を良くするために全員が行う必要があります。

 

挨拶や笑顔の意識

職場では挨拶や笑顔を意識的に行いましょう。初歩的なことではありますが、丁寧な挨拶や明るい笑顔は、職場全体の雰囲気を明るくします。挨拶の後にちょっとした会話をつなげ、コミュニケーションを取れれば理想ではありますが、まずは明るい挨拶の徹底から始めましょう。

 

感謝の言葉を伝える

自分の作業を手伝ってもらったり、業務の進め方のアドバイスなどをもらったときは、感謝の気持ちをしっかりと笑顔で伝えましょう。案外、感謝の言葉をないがしろにしてしまう方は多いです。感謝されたくて手伝ったわけではなくとも、相手から感謝の言葉が無いとあまり気持ちのいいものではありません。意識して積極的に伝えてみましょう。

 

相手の考え方を否定しない

さまざまな職種や年代の方が働く介護現場では、意見が対立する場面があります。自分とは意見が異なっていても、まずは相手を尊重し、相手の話に意見に耳を傾けます。ただ反対するのではなく、相手の意見を聞いた上で自分の考えを冷静に伝えることが重要です。

良い雰囲気を作るためには、職員一人ひとりが意識して行動し、協力して取り組むことが欠かせません。職場の雰囲気が良好であれば、職員のモチベーションが向上し、業務の効率性も高まります。

 

リーダーや管理職が行うべきこと

介護職場において、職員との信頼関係を築くことは非常に重要です。良好な信頼関係がある職場では、チームの協力や業務効率が向上し、職員のモチベーションも高まります。信頼関係を構築するためには、以下のポイントに注意することが大切です。

 

職員へ話しかける機会を増やす

職員から管理職へ話しかけるのはハードルが高いことが多いです。管理職が忙しそうにしていると業務上必要な連絡ではない限り話しかけてはだめと感じてしまい、なかなか話しかけにくいものです。管理職側から積極的に声をかけることでコミュニケーションをとりやすい雰囲気になります。
特に挨拶を無視するということがあってはなりません。人として当たり前のことですが、うまくいかない組織は、リーダー管理職が挨拶しないといったことが多くあります。
相手に苛立ちや不満があるのかもしれませんが、そのようなことは関係ないことです。業務の何かを指示する前に、出勤後の挨拶は必ず行ってください。

 

ポジティブな言動を心がける

管理職やリーダーの言動は、職場全体のモチベーションに大きく関わります。職員に無理難題を押し付けたり、高圧的な態度をとっていると、職場の雰囲気が悪くなります。さらに、職員が後輩に対し同じ態度をとるようになります。
管理職の言動や態度が職場の雰囲気を作っているという意識を持ちましょう。

 

職員の業務量に気を配る

シフトを作成したり、担当業務を切り分ける分業体制を行ったりと対応していると思います。しかし、特定の職員だけに負担が集中していないか、職員の余裕がなくなっていないかを気を配る必要があります。職員の能力や利用者さんとの相性などによって、職員の負荷がかかっていないかを把握しましょう。

 

フィードバック時の注意

職員へ指導する際や間違いを指摘する際は、絶対に人格否定をしてはいけません。人間性を否定したり、性格などの本質的な部分を否定することは、ハラスメントになります。失敗の原因をその人の性格や人格に紐づけで考えることは良くありません。また、身体的な特長を否定したり、プライベートについて否定することもNGです。

「○○が出来ないのは、暗い性格のせいだ。何とかしろ」
「こんな間違いをするやつは出来損ないだ」
「○○は給料泥棒だ」

暴言を吐くことは、職場の内外を問わず懇親会などの席の場でも許されるものではありません。時には、厳しい指導も必要ですが、そこに人格否定や執拗な非難を行うことは適切ではありません。
侮辱的な言葉が飛び交う職場は、不健全であり、チームワークや協力関係も損なわれます。 皆の前で、大声で叱責することもハラスメントにあたります。職員の立場を考え、できる限り人前で叱らないようにするなどの配慮が必要です。

 

職員同士の信頼関係を築くことは、介護職場においてチームワークを高める重要な要素です。信頼関係がしっかりと構築された職場では、業務の効率化や利用者へのサービス向上にも大きな影響を与えることが期待されます。

 

施設で取り組むべきこと

施設や事業所でのマネジメントが不十分であると結果として人間関係の悪化を招いてしまいます。業務の効率化を図り、職員・スタッフの負担を軽減させ、心の余裕をもたらすことが必要です。

介護職場における効果的なコミュニケーションとチームワークを高めることは、職員の協力や連携を促進し、業務効率化や利用者へのサービス向上に直結する重要な要素です。

 

教育体制

さまざまな職歴の方が働くからこそ、教育体制は重要になります。介護職は確実にステップアップできる職であるため職員の成長をサポートする体制づくりが必要です。

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定期的な面談

普段から十分なコミュニケーションをとっていても、なかなか相談しにくいこともあります。定期的な面談の時間を設けることで、改めて自分を見直す時間となり、抱えている問題や悩みを打ち明ける機会となります。また、モチベーションが低下している状況の場合、フォローすることでモチベーションの向上につなげることができます。

 

ツールの導入

職場の人間関係が良好ではないとコミュニケーション不足となり、情報がうまく行えずさらなるトラブルや人間関係の悪化につながります。情報の伝達が明確で正確に行うには、ツールを活用することも効果的です。

紙面での記録は、情報がさまざまなところに点在する状況です。これでは、必要な時に必要な情報が手に入りませんし、記入者にしか分からないなど情報が属人化してしまいます。その職員がいないと分からないという状況を作らないために、ツールを活用し、必要な情報を的確に取得・伝達、職員間の認識のずれを避け、業務の効率化につながります。

これらの取り組みは、良好な人間関係、職場づくりだけではなく、「介護職員等処遇改善加算」や「生産性向上推進体制加算」へも繋がっていきます。

これらのポイントを意識して職場内のコミュニケーションを充実させることで、職員同士の連携やチームワークが向上し、業務の効率化や利用者へのサービス品質向上につながるでしょう。

 

人間関係

 

4.まとめ

介護職は、仕事の特性上さまざまな背景から人間関係の問題が生じやすい状況にあります。 人間関係を良好に、職員が快適に働くためには、職員一人ひとりの心がけ、リーダーとしての職員の管理、施設や事業所としての体制づくりが重要となります。

組織全体が一体となり、より効果的なケアを提供するために、スタッフ間の連携と協力連して取り組む姿勢が不可欠です。

職員はとても大切な財産です。 人間関係に起因する問題が退職や転職につながらないよう、良い職場環境の構築が求められています。また、人間関係が良好な施設は、転職を考える人々、あらたに介護業界へ踏み入れる人にとっても魅力的な場所となります。

職員が満足し、最高のケアを提供できるよう、より良い人間関係を構築しましょう。

 

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