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ユニットケアの魅力とは?高齢者に安心の少人数制ケア

ユニットケアの魅力とは?高齢者に安心の少人数制ケア

高齢者が安心して暮らせる環境を提供するために、ユニットケアが注目されています。少人数制のケアは、家庭的な雰囲気を大切にしながら、個別のニーズに応じたきめ細やかなサポートを実現します。本記事では、ユニットケアの魅力やメリット、従来型との違い、そして導入事例について詳しくご紹介します。ユニットケアの導入を検討されている方や、介護に関心のある方にとって、役立つ情報が満載です。

目次

  1. 1.「ユニットケア」とは
    1. ユニットケアの特徴
  2. 2.ユニットケア型と従来型の違い
    1. ユニットケアへの建て替えによる変化
  3. 3.ユニットケアのメリット
    1. 入所者の視点
    2. 職員の視点
  4. 4.ユニットケアの課題
  5. 5.ユニットケアが求められる背景
  6. 6.ユニットケア型の施設のご紹介
  7. 7.まとめ

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「ユニットケア」とは

ユニットケアは、高齢者や介護が必要な方々が「家庭的な環境」で生活できるように設計された介護施設の運営方式です。入居者を少人数のグループ(ユニット)に分け、それぞれが家庭的な空間で個別のケアを受けられることを目指します。この仕組みにより、入居者が自分らしく過ごせるだけでなく、職員もよりきめ細やかなケアを提供しやすくなるメリットがあります。

ユニットケアの特徴

1. 少人数制(家庭的な環境の実現)

ユニットケアでは1ユニットを5~10人程度に設定し、居室のほか共有スペース(リビングやキッチン)が設けられています。この環境は一般的な自宅での暮らしに近く、家庭的な雰囲気を大切にすることで入居者が安心感を得られます。

2. 個別ケアの実現

少人数制により、職員が入居者一人ひとりの健康状態や性格、生活習慣を深く理解しやすくなります。それにより、入居者に合わせた柔軟なケアプランが実現可能です。職員は基本的に専任されるため、利用者との信頼関係の構築や関係性の向上にも繋がります。

3. プライバシーの確保

各入居者には個室が用意されるため、プライバシーが守られます。これにより、入居者が自分のペースで生活を楽しむことができ、ストレス軽減にもつながります。

 

ユニットケア型と従来型の違い

ユニットケア型、いわゆるユニット型は従来型の施設構造の面で大きく異なります。 以下の表は比較の図です。

ユニット型は、共有スペースを囲うように個室が並んでいます。

従来型でも個室はありますが、特徴的なのは共有スペースがある点です。個室が小グループを形成し、段階的な共有スペースが複数あることで交流が生まれ、ユニット型の強みを発揮します。 ユニット型の場合は、各ユニットに共有スペース内にキッチンや食堂、リビングなどがあり共同生活を送ります。

 

ユニット型個室的多床室

 

ユニット型では個室ですが、多床室はないのでしょうか。

実は「ユニット型個室的多床室」というものがあります。これは従来「ユニット型準個室」と名称がありましたが現在は、ユニット型個室的多床室に名称が統一されています。

パーテンションのようなもので区切っており、個室のように使用できます。 入居者同士の視線の遮断はできますが、天井との間に一定の隙間が生じるため、音やにおいなどは伝わってしまい、完全にプライバシーを守れるわけではありません。

ユニット型個室的多床室については、令和3年の介護報酬改定にて感染やプライバシーに配慮し、個室化を進める観点から新たに設置することが禁止されたため、新たに設置されることはありません。

参照元:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」

ユニット型個室的多床室

 

ユニットケアへの建て替えによる変化

多多床室から個室のユニット型へ建て替えを行った施設の入所者・介護スタッフの変化を測定した厚生労働省の資料があります。結果は以下のようになりました。

 

特別養護老人ホームの建て替えによる入所者・介護スタッフの変化

項目 従来型 ユニットケア型
ベッド上の滞在率 67.7% 40.2%
リビングの滞在率 16.7% 42.8%
日中に占める睡眠時間 42.3% 22.5%
日中に占める食事時間 7.6% 11.3%
1人あたりの食事時間 1,463kcal 1,580kcal
ポータブルトイレ設備台数 29台 14台

 

介護スタッフの行動の変化

項目 従来型 ユニットケア型
居室の滞在率 39.2% 18.0%
廊下の滞在率 9.2% 4.9%
リビングの滞在率 9.4% 37.5%
直接介助の時間 46.2% 33.1%
余暇・交流の時間 20.3% 24.1%

 

個室化後は、ベッド上の滞在率が減少し、リビングの滞在率が増加した。個室化はむしろ共有スペースのリビングへ出て他人との交流を促す効果があることが分かった。その他、一人当たりの食事量が増加し、排泄についてもポータブルトイレの設置台数が減るなど、入所者の生活が改善し、職員の負担も結果的に改善されていることが分かりました。

 

ユニットケアのメリット

ユニットケアのメリット

 

入居者の視点

1. 心地よい生活環境

小規模でアットホームな雰囲気は、従来の大規模施設にはない安心感を提供します。 また、入居者専用の個室があるため、プライバシーが守られます。自宅で愛用している物の持ち込みもでき 、自宅のように過ごすことができます。共有スペースでは、他の入居者や職員との交流があるため、集団に属し、人間関係をつくることもできます。

2. 自己決定の尊重

日々の過ごし方など、自分の意思を尊重される生活が可能です。 施設によっては、食事時間を調理後一定時間以内であれば自由な時間に食事できるという体制を取り入れているとこともあります。また、簡易的なキッチンを各ユニットに設けている施設では、各ユニットでご飯を炊き、味噌汁を作るなど、厨房で作る料理だけではない出来立て感を味わうことができるのも特徴です。

3.一人ひとりに合わせたケアを受けられる

介護職員は基本的に各ユニットで専任し、常駐しているため、いつも決まった職員に対応してもらえるようになります。一人ひとりの生活リズムを把握しやすくなるため、利用者に合わせた日常生活を送れるようなケアを受けることができます。

 

職員の視点

1. ケアの質が向上

ユニットで職員が固定配置されるため、入居者との信頼関係を構築しやすくなります。また、ユニットは通常10人以下のため、少人数制により、一人ひとりに集中してケアができ、きめ細やかな対応が可能です。毎日接するため、入居者のわずかな変化にも気づきやすくなります。どのようなことで喜怒哀楽があるかを把握し、その人らしい生活を送れるようなケアを行えます。

2. 介護技術のスキルアップ

ユニットを専任するため、幅広いケアが求められるようになり、さまざまなスキルを身につけることが可能です。入居者との触れ合いを好む職員の場合はとても良い環境でしょう。一人で数名の入所者を受け持つため、複数の業務にも柔軟に対応できる人にとっては、十分に力を発揮できる場でもあります。

 

ユニットケアの課題

1. 運営コストの増加

少人数制であるため、施設設計や職員配置においてコストがかさむ可能性があります。また、個室の場合は多床室に比べて、建設や設備の設計のコストも上がることや光熱費が高くなります。

2. 職員の負担

入居者一人ひとりへの対応が求められるため、職員には高いスキルと体力が必要です。向き合う時間が増えるため、職員個人への期待値が高くなりストレスを感じやすくなるかもしれません。

また、夜間に1人の対応が生じやすく負担が大きくなりがちです。見守り機器を活用することで夜間の負担軽減に寄与します。画面上で利用者さんの状況を一目でわかるため、確認のための訪室で個室のドアを開き睡眠を妨げることもありません。効率的な見守りができるため、職員の精神的負担や身体的負担の軽減につながります。

見守り機器について詳しくはこちら≫

 

3. 運営方針の統一

職員一人ひとりが重要な存在になるため、職員のスキルを上げる必要があります。 1人で仕事を行うことが多いため、他の職員を直接学ぶ機会が少ないため、自己流の介護になりがちです。 職員間でケアの質を均一に保つためには、ユニットリーダーを立て、継続的な研修やコミュニケーションが不可欠です。

 

ユニットケアが求められる背景

介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針に基づき、都道府県は2025年度までに地域密着型介護老人福祉施設および介護保険施設の入所定員のうち、ユニット型施設の割合を50%以上にすることを目標としています。

参照元:介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成30年3月13日厚労告57号)

そのため、ユニットケアを取り入れる施設は今後も増加していくと思われます。

 

ユニットケア型の施設のご紹介

ユニット型であり目が届きやすい利点はあるものの、個室のため、居室内の扉を開けて確認しないと入居者がどのような状態にあるかは分かりません。特に夜間帯の見守りは、入居者の睡眠を妨げてしまい、日中の生活にも影響が出ます。見守りライフは、扉を開いて訪室しなくとも、画面上で居室内の入居者の状態が分かります。見守りライフを導入されているユニット型の施設をご紹介します。

社会福祉法人釧路創生会 特別養護老人ホームさくらの里様(北海道)

さくらの里様は、全室個室のユニット型の特養です。ユニットごとに家庭的な雰囲気の中で食事ができ、ご利用者様一人ひとりの状態に合わせた介護を行っていらっしゃいます。活き活きと笑顔で過ごしていただけるよう、尊厳と思いやりの心のこもった質の高いサービスの提供に努め、地域の皆様から信頼される施設づくりに取り組んでおられます。

導入事例を見る≫

 

社会福祉法人末広会 特別養護老人ホーム春香苑・第2春香苑 様(関東地方)

春香苑・第2春香苑様は、埼玉県で全室個室の特養です。 画一的なマニュアルどおりのサービスを一方的にご提供するのではなく、ご利用者様の身体状況は勿論、今まで歩んで来られた人生における経験や価値観・嗜好に至りますまで、ご利用者様お一人お一人を私共スタッフがよく理解させて頂いた上で、それぞれのご利用者様に合った介護を行っておられます。

導入事例を見る≫

 

まとめ

ユニットケアは、入居者に家庭的で温かい環境を提供し、職員にとっても効率的で質の高いケアを実現できる介護方式です。運営には課題も伴いますが、これからの高齢社会において、ユニットケアはますます重要な役割を果たしていくと期待されています。

もしユニットケア導入を検討されている場合は、施設の設計や職員教育など、専門家と連携しながら計画を進めることをおすすめします。

 

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