訪室の課題を解決!介護施設での効果的な方法

介護施設では、利用者一人ひとりの安心と安全を守るために「訪室」が欠かせません。特に夜間の訪室は、職員にとって負担のある一方で、利用者の安全を守る重要なケアです。本記事では、夜間の訪室頻度やその意義、見守り機器の活用による負担軽減について解説します。
訪室の意義とは
訪室(ほうしつ)とは、介護士や看護師が利用者の部屋を定期的に訪問し、体調や安全を確認する業務のことです。
訪室の主な目的は「見守りとしての訪室」「介助としての訪室」があげられます。
介護施設における見守りは、利用者が安心して日々の生活を送れるようにするための重要な基盤です。職員が定期的に訪室し、利用者の様子を確認することで、以下のような効果が得られます。
異常行動や体調不良の早期発見
利用者の体調や転倒・転落などの事故を早期に発見し、迅速に対応します。また、利用者が居室内にいるか、異常な行動をしていないかを確認します。 特に認知症の方は、就寝後に徘徊することがあり、昼夜逆転や生活習慣の乱れがさらに夜間の徘徊を引き起こすことがあります。
転倒やベッドからの転落の防止
介護施設での事故で最も多いのは「転倒・転落事故」です。公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、全事故の65.6%が転倒・転落です。 身体機能が低下している高齢者は、ADLが保たれていても、日常生活の中でふとした瞬間に転倒することがあります。特に、職員に迷惑をかけたくない、自力で行動したいという思いから、トイレへの移動時などに転倒することが多いです。

参照元:「介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業」報告書
訪室時に利用者の様子を確認することで、緊急事態や事故の発生リスクを低減できます。特に高齢者は些細な異常が大きな問題につながる可能性があるため、訪室による見守りが欠かせません。
孤立感の軽減
定期的な職員の訪室は、入居者とのコミュニケーションを深め、利用者の安心感の向上につながります。「いつでも職員が来てくれる」という信頼感は、利用者の心理的負担を軽減します。訪室が適切に行われることで、利用者はより安心して施設での生活を楽しむことができます。 また、利用者が適切に見守られ、必要な介助を受けていることは、家族にとっても大きな安心材料です。定期的な訪室によるケアが、施設全体の信頼度向上につながります。
日常生活動作(ADL)のサポートが必要な利用者にとって、訪室による介助は生活を支える重要な役割を果たします。
・起床や就寝のサポート
・食事や排泄の介助
・着替えや入浴の手助け
訪室を通じて、利用者が安心して日常生活を送れるように支援することが、施設職員の大切な役目です。
夜間の訪室、一般的には何回行う?
訪室の頻度や回数は、施設の体制や入居者の介護等によって異なりますが、一般的に1~2時間おきに1回行います。特に夜間帯は、約1時間の間隔で見守りのための訪室を行うことが多いです。 夜間帯で、入居者一人あたり約5~6回の訪室、10居室の担当をしていれば最低でも合計50回は訪室する必要がありあます。さらにコールが鳴った場合は、追加で訪室し対応をします。
また、転倒リスクが高い方や排泄の介助が必要な方の場合、通常よりも頻繁な訪室が求められることもあります。
見守りだけではなく、トイレ介助や異常時の対応など利用者に応じた個別のケアが必要になります。一人で夜勤を担当する場合も多いため、身体的負担だけではなく、何か起きたらどうしようという精神的負担にも感じやすい傾向にあります。
このような訪室の頻度は、利用者の安心を守るために重要ですが、職員にとっては負担が大きい課題でもあります。

見守り機器導入で実現する夜間の「質の高い訪室」
見守り機器を導入することで、訪室の頻度を最適化しつつ、必要なケアを的確に提供できます。
センサーやカメラが利用者の状態を常時監視し、異常を検知した場合のみ通知が届く仕組みを構築。これにより、職員が必要以上に居室へ訪室することを避け、利用者の睡眠を守ることができます。
見守り画面で利用者の状況を、訪室をすることなく確認することができるため、確認のためだけの訪室を削減することができます。さらに、睡眠の深度が測定できるセンサーであれば、利用者の最適なタイミングで訪室が可能になります。 カメラ機能がついている見守り機器であれば、訪室前に居室内に確認することも可能です。
見守りライフは、睡眠深度が測れ、さらにカメラ機能も備えています。夜間も赤外線センサーが搭載されているので、暗闇でも確認することができるため、入居者の眠りを妨げることがありません。
見守り機器がリアルタイムで利用者の状況を把握するため、転倒や異常時に迅速な訪室が可能です。事前に状況が分かるため、最適なケアが提供できます。 離床の検知だけではなく、起き上りや端座位などの状態に変化した場合、職員へ通知がいくため危険な状態を察知することができます。
さらに施設全床に導入することにより、同じ機器での理解や活用ができ、ユニットやフロアをまたいだ見守りにも対応しやすくなり、効率的なケアを実現することができます。
見守り機器の導入は、家族にも「いつでも適切に見守られている」という安心感を提供します。利用者への直接ケアに加えて、家族の信頼を得ることが施設の価値向上につながります。
夜間訪室に見守り機器を導入した事例
事例:介護付有料老人ホーム佐倉<ゆうゆうの里>様
施設では、見守りライフを全111床に導入。その結果、夜間の安否確認のための訪室をすべて見守りライフで行い、一晩で約50回行っていた職員による安否確認のみの訪室を削減されました。
また、入居者の睡眠時間の睡眠時間が増加し、深い睡眠時間が増加し、睡眠の質が向上しています。 ⼀晩あたり約 50 回の訪室削減は、時間にすると⼀晩あたり約 25 分、1か月にすると約 750 分の作業時間の削 減に相当します。また、訪室のための移動についても、⼀夜勤あたり約 4,000 歩の減少につながっており、1,000 歩 =10 分で換算すると⼀夜勤で約40分、1か月にすると約 1,200 分の移動時間削減を実現していることになります。 この他にも転倒転落事故の発生件数も減少の結果を得られています。
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