端座位の重要性とメリットとは

端座位とは、ベッドや椅子の端に腰掛け、足を床につけた姿勢のことです。この姿勢は、リハビリテーションや介護の現場で重要な役割を果たし、上半身や下半身の筋肉を活性化し、バランス感覚や体幹を鍛える効果があります。この記事では、端座位の基本姿勢、メリット、安全に行うための方法などについて詳しく解説します。
1. 端座位とは
端座位の読み方は「たんざい」です。端座位とは、ベッドや椅子の端に腰掛け、足を床につけた姿勢のことを指します。介護やリハビリテーションの現場で一般的に使用される言葉で、端座位をとることによって、上半身や下半身の筋肉を活性化し、バランス感覚や体幹を鍛えるリハビリ効果が期待できます。特に、高齢者や体力の低下した方が座位から立位への移行を行う際に非常に重要な姿勢です。
端座位は、ベッドの端に座り、足を床におろした姿勢です。この時、できるだけ背中をまっすぐにし、両足をしっかりと床につけることがポイントです。腰を安定させて、体幹を意識して姿勢を維持することが大切です。この姿勢は、バランスが取りやすく、体幹の筋力を強化する効果があります。
一方、足をベッドから床に着けずに、ベッド上で真っすぐに伸ばす姿勢は「長座位」と言います。
下記のイラストは、端座位の状態です。

2. 端座位のメリット
端座位には、身体機能や生活機能を維持・向上させるための多くのメリットがあります。
端座位を保つことで、背筋や腹筋といった体幹の筋肉が使われ、姿勢を維持するための力が鍛えられます。体幹が安定すると、立ち上がりや歩行の際のバランス感覚が向上し、転倒リスクが減ります。
端座位になることで、重力による圧力が下肢にかかり、血液循環が促進されます。また、長時間寝たままでいると血流が停滞しがちですが、端座位をとることで全身の血流が改善され、心身ともにリフレッシュしやすくなります。
また、呼吸機能の向上にも役立ちます。背中を伸ばして座ることで胸郭が広がり、深い呼吸がしやすくなります。
端座位を定期的にとることで、立ち座りの動作がスムーズになり、日常生活での行動範囲が広がります。これにより、介護が必要な人の自立支援や寝たきり防止にもつながります。
また、車椅子が必要な利用者も、仰臥位(ぎょうがい)から端座位の姿勢を取ることで、移乗を安全かつスムーズに行うことができます。端座位を取ることで、バランス感覚や筋力が向上し、移乗時の安定性が確保されます。
端座位は他の体位に比べ、食事や飲み物を摂取する際に誤嚥を防ぎやすいという利点もあります。 高齢者は飲み込む力が低下していることや認知機能の低下により、誤嚥が起こりやすい傾向にあります。誤嚥の結果、誤嚥性肺炎などに繋がってしまいます。誤嚥を防ぐことは、高齢者の健康を維持するために非常に重要です。
3. 端座位の取り方と注意点
端座位を安全に行うためには、いくつかのポイントがあります。
無理に端座位を取らせると、かえって身体に負担をかけてしまうことがありますので、利用者の体調や筋力をしっかりと確認することから始めましょう。
ベッドや椅子の端にゆっくりと腰掛けます。ベッドの場合は、ベッドの高さを調整し、足がしっかり床につくようにするのが理想です。
背筋を伸ばし、できるだけ自然な姿勢で腰掛けます。初めは短い時間から始め、少しずつ保持時間を延ばすことで、筋肉の負荷を適度に増やします。これにより、利用者が徐々に慣れていくことができ、無理なく端座位を継続することができます。
p class="article__h3">3. サポート端座位に不安がある方や筋力が十分でない方には、介助者やヘルパーが側についてサポートしたり、手すりや支えとなるクッションを用意することで安全性が向上します。また、端座位の状態を保持するためのテーブルもありますので、必要に応じて活用します。

4. 端座位のリハビリ応用
端座位を基本としたリハビリでは、腕や肩の運動を組み合わせて行うことも効果的です。例えば、座ったまま腕を横に伸ばしたり、頭の上に挙げたりすることで、肩関節や上肢の可動域を拡大し、体全体の協調性が養われます。
端座位は、介護施設や病院だけでなく、在宅リハビリにも取り入れやすい方法です。高齢者やリハビリを必要とする方が安全に行えるよう、サポート体制を整えつつ、少しずつ続けていくことが重要です。
5. 端座位を検知する見守り機器
見守り機器には、バイタル式、カメラ式、荷重センサー式などの見守り機器があります。 見守りライフは、荷重センサー式の見守り機器です。そのため、ベッド上の利用者の様々な動きを検知することができます。バイタル式のセンサーはベッド上のセンサーの上にいてきちんとした位置にいない場合、検知することができません。そのため、バイタル式のセンサーは端座位が検知できないのです。 しかし、見守りライフはベッド脚下に設置し、ベッド全体を見守りすることができるため、他のセンサーで難しい端座位の検知が可能なのです。
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