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介護施設の看取り加算を解説!看取り介護加算、ターミナルケア加算とは?

介護施設の看取り加算を解説!看取り介護加算、ターミナルケア加算とは?

「看取り介護加算」とは、利用者が終末期を迎える際に適切な介護サービスを提供し、看取りを行った場合、受け取ることができる介護報酬の一つです。高齢化社会の進行に伴い、介護現場でもその重要性が認識されています。この記事では、「看取り介護加算」に加えて、「ターミナルケア加算」や「看取り連携体制加算」などの違いについても解説しています。

目次

  1. 1.看取り介護加算とは?どの施設が対象?
  2. 2.看取り介護加算の算定要件
  3. 3.ターミナルケア加算の算定要件
  4. 4.看取り介護加算とターミナル加算の違い
    1. ① 対象となる介護の場所
    2. ② 加算対象となる内容
    3. ③ ターミナルマネジメント加算とは
  5. 5.看取り介護加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い
  6. 6.看取り介護連携体制加算とは
  7. 7.看取りに関する加算の点数
  8. 8.看取り介護加算の重要性
  9. 9.看取りに不安な職員を助けるツール

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1. 看取り介護加算とは?どの施設が対象?

看取り介護加算は、高齢者や重病患者の終末期ケアにおいて、介護施設や在宅介護で提供されるサービスに対して支払われる加算制度です。特別養護老人ホーム・グループホーム・特定施設入居者生活介護の3つの事業者に算定が認められています。

看取り介護加算は、利用者が人生の最期の時期を迎える際に、より質の高い介護サービスを提供するために設けられています。医療・介護スタッフが協力し、利用者とその家族に対して適切なケアとサポートを提供することが求められ、精神的・肉体的な苦痛を緩和し、安らかな最期を迎えるための支援を行います。

 

2. 看取り介護加算の算定要件

看取り介護加算は、利用者が終末期にあり、残された時間が限られていると医師によって判断された場合に適用されます。具体的には、以下の条件を満たす必要があります。

終末期と判断される状況

医師が医学的に「回復の見込みがない」と判断し、日常生活が困難な終末期にあるとされた要介護者が対象となります。

24時間体制の対応

終末期のケアには、通常の介護だけでなく、24時間体制での対応が必要とされます。施設では、夜間や休日でも看護師や介護士が必要に応じて対応することが求められます。

家族との連携

利用者本人だけでなく、家族に対しても精神的なサポートを提供することが重要です。家族が安心して見守ることができるように、ケアの進行状況や対応方法を適切に伝えることが求められます。

 

看取り介護加算の対象となる事業者は以下の通りです。

・特別養護老人ホーム(地域密着型施設を含む)
・特定施設入居者生活介護(地域密着型施設を含む)= 特定施設(介護付き有料老人ホーム)
・グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

 

3. ターミナルケア加算の算定要件

ターミナルケア加算を算定することが出来る対象は、介護老人保健施設、訪問看護、定期巡回、臨時対応型訪問介護・看護、看護小規模多機能型居宅介護です。

ターミナルケア加算を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。

【介護老人保健施設】の場合

以下のいずれにも適合している入所者であること
 ・医師が医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者であること
 ・入居者またはその家族などの同意のもと、入所者のターミナルケアについての計画が作成されていること
 ・医師、看護師、介護職員、支援相談員、管理栄養士などが共同して、入所者の状態または家族の求め等に応じた説明を本人や家族に行い、同意のうえでターミナルケアが行われていること

また、令和6年度介護報酬改定により老健のターミナルケア加算の見直しが行われ、単位数が変更になりました。死亡日45日前~31日前は80単位から72単位に減少しましたが、死亡日前々日、前日を820単位から910単位へ増加、死亡日は1,650単位から1,900単位に増加しました。死亡日の前々日からの重点化を図ったためです。

 

老健のターミナルケア加算(令和6年度介護報酬改定)

参照元:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」

 

【訪問看護】【定期巡回・随時対応型訪問介護看護】【看護小規模多機能型居宅介護】の場合

以下のいずれにも適合している利用者であること
 ・死亡日、死亡日前14日間以内に2日以上訪問し、ターミナルケアを行っていること
 ・ターミナルケアを受ける利用者へ24時間連絡、訪問看護ができる環境にしておくこと
 ・ターミナルケアを行うにあたって、利用者の身体状況の変化など必要な記録をしておくこと
 ・厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を踏まえて、利用者の意思決定を基本とした医療やケアを医療・ケアチームが提供すること

 

※「人生の最終段階における医療・ケアの決定のプロセスに関するガイドライン」

このガイドラインは、人生の最終段階における医療とケアの在り方や方針の決定手続きなどについて書かれています。本人の意思を尊重し、医療や介護従事者のチームが連携して、本人との話し合いが繰り返し行われることが重要としています。その内容を文書に記録しておくことで、適切なケアが提供されます

入所時に利用者本人の意思を把握することが難しい場合もありますが、希望する医療やケアを受けるためには、本人が大切にしていることや望んでいることを本人とその家族、医療・ケアチームで話し合い、共有することが重要です。このような話し合いを繰り返し行う取り組みを「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」、また「人生会議」と呼びます。平成30年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」として策定されました。施設においても、このACPの概念を職員間で認識し、意識することが必要です。

 

4. 看取り介護加算とターミナルケア加算の違い

看取り介護加算とターミナルケア加算はどちらかも終末期の利用者のケアに加算されるものですが、両者には明確な違いがあります。

看取り介護とターミナルケアの用語の違いについては、こちらのブログ「看取りとは?介護施設での看取り介護への移行と対応を解説」もおすすめです。

それでは加算の違いについて詳しく見ていきましょう。

① 対象となる介護の場所

看取り介護加算

主に介護施設における終末期ケアが対象です。特別養護老人ホーム、特定施設、認知症GHなどが対象です。介護施設での生活を続けながら、利用者がその場所で最期を迎えることを前提としたケアに対して加算が行われます。

ターミナルケア加算

こちらは介護老人保健施設で提供される終末期ケアを対象としています。そのほかに、訪問看護・定期巡回・随時対応型訪問介護看護・看護小規模多機能型居宅介護が対象となります。

 

② 加算対象となる内容

看取り介護加算

介護職員が中心となり、利用者の終末期に寄り添い、痛みや不安を軽減するためのケアを行います。直接的な介護のほか、心理的サポートや家族への説明などが重要な役割を果たします。

また、延命治療は行いません。看取り介護では身体的・精神的苦痛を緩和しながら生活支援を行なうことを目的とします。

例えば口腔摂取が困難になった高齢者に対して、胃ろうなどの経管栄養手術は行ないません。看取り介護加算の考え方は延命措置よりも個人の尊厳を重視するためです。

ターミナルケア加算

こちらは医療と介護が連携して支援を行いますが、医療スタッフが主体となり、利用者の苦痛を和らげるための医療行為が中心です。疼痛管理や呼吸管理、点滴などの医療的介入が行われることが多く、看取り介護加算に比べて医療的な対応が強調されます。

 

③ ターミナルマネジメント加算とは

ターミナルケア加算に加えて、ターミナルケアマネジメント加算についてもご紹介します。

非常に名称が似ている両加算ですが、ターミナルマネジメント加算は、居宅介護支援事業所に対して評価するための加算です。

自宅で最期を迎えたいと考える利用者の意向を尊重し、人生の最終段階における利用者の意思を適切に把握することが求められます。この加算は、疾患を末期の悪性腫瘍に限定せず、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがないと診断した利用者が対象です。

ターミナルマネジメント加算は、一人の利用者に対して1回算定ができます。死亡日に最も近い日にケアプランを作成し、その算定要件を満たす居宅介護事業所が算定することができます。

2024年度の介護報酬改定により、加算の対象を「末期の悪性腫瘍の患者」の限定を外し、新たに人生の最終段階における利用者の意向を適切に把握する点が要件に追加されました。

単位数:400単位/月

• 算定要件:医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがないと診断し、在宅で死亡した利用者であること
• ターミナルケアマネジメントを受けることについて、利用者またはその家族から同意を得ていること
• 利用者またはその家族の終末期の医療やケアの方針に関する意向を把握していること
• 24時間連絡できる体制を確保し、かつ、必要に応じて指定居宅介護支援を行うことができる体制を整備していること
• 死亡日及び死亡日前14日以内に2日以上、利用者の居宅を訪問し、利用者の心身の状況等を記録し、主治医及び居宅サービス計画に位置付けた居宅サービス事業者に連絡調整すること

参照元:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」

 

5. 看取り介護加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い

看取り介護加算には、ⅠとⅡがあります。その算定要件の違いについて見ていきましょう。

【看取り介護加算(Ⅰ)の算定要件】

1.当該施設の看護職員、病院または診療所、指定訪問看護ステーションのいずれかの看護職員との連携で24時間連絡できる体制をとること

2.看取りに関する指針を定め、施設入所の際に入所者とご家族に看取りに関する定めた指針について内容の説明を行い、同意を得ること

3.医師、看護職員、ケアマネジャー、介護職員、生活相談員などが当該施設においての看取りについての協議を行い、指針について適宜見直すこと

4.看取りに関しての職員研修を行うこと

5.看取りケアは個室または静養室などを利用し、本人、ご家族、周囲の入所者に配慮すること

 

【看取り介護加算(Ⅱ)の算定要件】

看取り介護加算Ⅰの算定要件に加え、以下の要件を満たすことが必要です。

1.入所者に関し、配置医師と施設間で下記2点の具体的な取り決めがあること
・緊急事態が起きた場合の注意点や情報連携の方法
・曜日、時間帯別の連絡手段や診察依頼時間

2.複数名の配置医師がいる、または協力関係にある医療機関の医師が必要な際に24時間対応できること

また、介護付きホームに関しては、令和3年の介護報酬改定により「看取り期は、夜勤又は宿直の看護職員を配置すること」という要件が追加されています。

 

 

6. 看取り介護連携体制加算とは

看取りに関する加算には、「看取り介護連携体制加算」というものがあります。この加算は、看取り期における他職種連携体制を評価する加算です。主に、在宅介護サービスが対象となっています。

看取り連携体制加算について、小規模多機能型居宅介護は対象でしたが、令和6年度介護報酬改定により、看取り体制への強化として、訪問入浴介護と短期入所生活介護において「看取り連携体制加算」が新たに設立されました。

参照元:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」

単位数:64単位/回

対象施設:主に在宅介護サービス

・医師、看護師、介護職員、ケアマネジャーなどが連携して看取り期のケアを提供

・24時間体制で連絡や訪問が可能な体制を確保

・入所者や家族に対して十分な説明と同意を得ていること

この「24時間連絡できる体制」について補足すると、看護職員配置加算(Ⅰ)」で配置する常勤の看護師と連絡できる体制を確保することではありませんので、注意が必要です。常勤の看護師に限らず、他の常勤以外の看護師を含め、小規模多機能型居宅介護事業所の看護師と24時間連絡できる体制が確保されていれば算定要件は満たされます。

参照元:介護保険最新情報vol.45「平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(平成27年4月1日)」p.56

 

7. 看取りに関する加算の点数

看取り介護加算(Ⅰ)、看取り介護加算(Ⅱ)、ターミナルケア加算。それぞれの加算の点数について以下の表にまとめてみました。

 

看取りに関する加算まとめ

 

「死亡日の45日前~31日前」、「死亡日30日前~4日前」、「死亡日前々日、前日」、「死亡日」それぞれで加算の単位数が変わります。

従来の算定期間は、死亡日の30日前からでしたが、2021年の介護報酬改定により死亡日45日前~31日前の新たな区分が設けられました。ほとんどの事業所が30日以上前から看取り介護を行っている実態があるため追加されました。

 

8. 看取り介護加算の重要性

看取り介護加算画像

 

看取り介護加算は、介護施設や在宅での終末期ケアの質を向上させるために不可欠な制度です。利用者が最期を迎える際に、適切なケアが提供されることは、本人だけでなく、家族にとっても大きな安心感をもたらします。また、介護スタッフが利用者と家族に寄り添い、肉体的・精神的なサポートを提供することで、最期の時間をより豊かに過ごすことができるようになります。

看取り介護加算は、介護現場において終末期ケアの質を向上させるための重要な取り組みであり、利用者と家族にとっても大きな支えとなる制度と言えるでしょう。

 

 

9. 看取りに不安な職員を助けるツール

看取りを行うことは、介護施設において職員の心的負担や身体的負担が伴います。特に終末期の利用者様に対し、不安から何度も何度も訪室してしまい、見守り時間が増え、直接介護やその他業務の時間が減少してしまいがちです。

一覧画面上でもアラートを表示するため、一目で危険な状態にあるとどの職員でも判断できるようになります。

見守りライフは見守り画面が非常にわかりやすく、他職種で連携する介護施設の方、誰もが分かり易い画面設計になっています。

 

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