見守りライフで「職員の負担軽減」と
「入居者様の安心・安全」を両立
社会福祉法人平元会 特別養護老人ホーム正寿園 様
お話を伺った方
社会福祉法人平元会 特別養護老人ホーム正寿園
左:ユニットリーダー 米谷 覚史 様
中:副園長 奥崎 一球 様
右:副介護主任 後藤 優 様
導入前の課題
- 入居者様の人数に対してセンサーの数が不足していた。
- 保有するセンサーの数が足りないため、必要としている入居者様に使用できないことがあり、夜勤職員の負担が増加していた。
導入効果
- スマートフォンやパソコンで入居者様が眠ったことを確認できるため、「訪室しない」という選択ができるようになった。
- ベッド上で体重測定が可能なため、見守りライフ導入前と比べるとかなり楽に測定できるようになった。
- ベッドからの転倒・転落事故が減少した。
今後の展望
- 業務効率化を実現するため、まずは定期的な巡視を減らせるようにデータに基づいた見守りを実施していく。
導入前の課題
センサー不足による夜勤職員への負担が課題
見守りライフ導入前は、床に敷くタイプのマットセンサーや背面センサーなどを使用して見守りを行っていました。当時はそうしたセンサーが20台程度しかなく、職員間で取り合いになるほど必要数に対してセンサーが不足している状態でした。どの入居者様にセンサーを設置するかの優先順位は、新しい入居者様が入居するタイミングや定期的なミーティングで決めていました。
本来であれば入居して間もない入居者様に、優先的にセンサーを設置して日々の行動パターンを把握した方が良いのですが、同時期に転倒リスクの高い入居者様がいる場合は設置を諦めるしかありません。また、台数が限られているため、センサーが必要な入居者様であっても外さなければならない場合もあり、巡視の回数が増えるなど夜勤職員に大きな負担がかかっている状態でした。
導入効果
「事故の減少」と「職員の負担軽減」を実感
見守りライフを全床導入してからはセンサー不足に起因する様々な悩みから解放され、特に夜勤職員の精神的な負担が大きく軽減されました。
見守りライフは入居者様のベッド上の状態を『色』と『ピクトグラム』で表示してくれるため、プライバシーを守りつつ安全に見守ることができます。通知タイミングの種類が『動き出し』『起き上がり』『端座位』『離床』と豊富にあり、入居者様の状態にあわせて設定できるため、適切なタイミングで訪室できます。また、スマートフォン画面でのリアルタイムな状態確認も可能です。起き上がった後にもう一度眠られる入居者様の場合、画面で眠ったことを確認することで「訪室しない」という選択ができるようになりました。さらに体重測定業務の負担軽減にも一役買っています。以前は車いす用の体重計で測定していたため、どうしても手間がかかり職員の身体的負担も大きい業務でした。見守りライフの体重測定機能であれば、ベッド上で測定が完結するため手間がかからず、職員の負担も大幅に軽減されました。
見守りライフを導入したことで、ベッドからの転倒・転落による事故が減少していますし、職員の負担軽減につながっています。
職員同士の教え合いで、誰でも使える状態を作る
当施設では導入当初からICT化や見守りシステムの導入に対して反対する意見は特になく、定着するまでに時間もかかりませんでした。 リスク委員会のメンバーを中心に見守りライフの機能を覚え、他の職員に教えていきました。何かわからないことがあれば、リスク委員会のメンバーに確認するという形が自然に形成され、教え合いにより使用できるメンバーが増えていきました。 見守りライフは特別に難しい機能や設定がないこともあり、スムーズに定着させることができました。
今後の展望
データ活用と定期巡視の減少で「業務効率化」
受け入れと定着まではスムーズでしたが、導入目的としていた「業務効率化」の達成にはまだ課題が残っています。
現状では離床センサーとしての使い方がメインとなっているため、今後はもう一歩進めて「業務効率化」を実現するためにデータに基づいた見守りも実施しなければなりません。 まずは定期的な巡視を減らせるように、システムに任せる部分と人の目で確認する部分の線引きをしていきたいと考えています。
今年度からは法人全体でICT部門を発足し、ますますICT運用を推進していく方針です。正寿園ではすでにパソコン、タブレット、スマートフォン、介護ソフトといった機器類は揃っています。そのため必要以上に新しいモノや仕組みを取り入れるのではなく、今あるものを使いこなすことで、更なる「業務効率化」を実現していきたいです。