ピクトグラムと映像による見守りで頻回な訪室をなくし、
余裕あるケアの提供へ
社会福祉法人炉暖会 特別養護老人ホーム炉暖の郷 様
お話を伺った方
社会福祉法人炉暖会 特別養護老人ホーム炉暖の郷
介護科長 居山様
導入前の課題
- 夜勤職員の業務負担が大きかった。
- 複数の離床センサーが同時に鳴った際に、どの利用者様を優先的に対応するかの判断が難しかった。
- 離床センサーから通知がある度に職員が駆けつける必要があるため、職員の余裕を失わせる原因となっていた。
- 職員の頻回な訪室により、利用者様の中には不穏になる方がいた。
導入効果
- 利用者様の状態をパソコンやスマートフォンから確認できるため、職員が居室に訪室する回数が減少した。
- 1時間に1回の定期巡回を、2時間に1回に減らすことができた。
- カメラ機能の活用で、映像による利用者様の状態確認ができるようになり、対応の優先順位の判断が容易になった。
今後の展望
- バイタル異常の通知機能の活用で、利用者様の急変を早期に発見し対応できるようにしたい。
- 利用者様の生活リズムのデータを活用して、個別ケアに活かしていきたい。
導入前の課題
負担軽減と業務効率の向上を目指した見守りライフの導入
夜勤職員の業務負担が大きいことを課題に感じていた理事長が、全居室に見守りシステムを導入することを職員に提案し、2024年3月に見守りライフを全居室120床に導入しました。
販売事業者から3製品の提案を受け、中でも見守りライフはベッド上の荷重のかかり方で状態を検知するため、反応の速さが印象的でした。また、利用者様の状態をパソコンやスマートフォンの画面で確認する際、色とピクトグラムで視覚的に分かりやすく表示される点も魅力的でした。さらに、見守りライフは必要に応じてカメラと連携できます。映像で利用者様の様子を確認することで頻回な訪室をなくし、業務の効率化を図るため、部分的にカメラの導入も決めました。
見守りライフ導入以前は、ベッドセンサーや背面センサー等を使って見守りを行っていました。複数のセンサーが同時に鳴った場合、どの利用者様を優先的に対応するかが悩みの種でした。さらに、数に限りのあるセンサーをどの利用者様に設置するかも課題でした。また、これらのセンサーは利用者様の状態を確認することができないため、通知がある度に職員が必ず訪室しなければなりませんでした。
利用者様の中には、職員の頻回な訪室によって不穏になる方いらっしゃいました。通知の頻発は職員の余裕を失わせる原因ともなり、利用者様と職員の双方に負担となっていました。
導入効果
カメラによる見守りで職員・ 利用者様、双方の負担を軽減
見守りライフを導入してからは、パソコンやスマートフォンの画面から利用者様の状態を確認できるため、必要以上に訪室することがなくなりました。また、定期巡回も1時間に1回から2時間に1回に減らすことができ、利用者様と職員双方の負担軽減に役立っています。
さらなる負担軽減を実現しているのは、見守りライフとカメラの連携機能です。ピクトグラムに加えて映像で利用者様の状態を確認できるため、訪室の要否を容易に判断できます。また、急いで駆けつける必要があるのか、今の対応を終えてからの対応で良いのか、優先度の判断ができるようになりました。
加えて見守りライフのカメラの特長は「映像の鮮明さ」です。職員は利用者様の表情や手元の動きをもとに、次の行動を予測するため、細かい部分まで映像で確認できることをカメラに求めています。以前にシルエットで映るタイプのカメラを試したところ、職員から「見守りライフのカメラに戻してほしい」と要望があったほどです。鮮明な映像で見守ることでベッドからの転倒・転落を未然に防ぎ、利用者様の安全確保にもつながっています。
今後の展望
急変時の迅速な対応と、データを活用した個別ケアを目指して
導入から3カ月半が経過しましたが、まだ完全に使いこなせていないのが正直なところです。今後はバイタル異常の通知機能を活用して、利用者様の急変を早期に発見し対応できるよう、うまく使いこなしていきたいです。
さらに、見守りライフは睡眠深度や時間、体重などの様々なデータを取得できます。これまでに見守りライフが取得した睡眠データを、利用者様のご家族への説明資料として利用した経験があります。今後は説明資料としてだけでなく、利用者様の生活リズムを把握し、個別ケアに活かしていきたいと考えています。