居室の状況を「ピクトグラム」で見える化
夜間巡視の効率化で、人手不足でも対応可能な体制づくり
社会福祉法人 同和園 特別養護老人ホーム 同和園 様

お話を伺った方
社会福祉法人 同和園
特別養護老人ホーム 同和園
左:竹田常務理事園長
右:中谷施設部長
導入前の課題・背景
- 床マットセンサーや背面センサーで見守りを行っていたが、同時に通知があった際に対応の優先順位をつけることが難しいという課題があった。
- 赤外線カメラによる見守りを試みたが、カメラの設定が難しく、うまく活用できなかった。
- カメラセンサーの導入は、プライバシーへの配慮の面でハードルが高いと感じた。
導入効果
- スマートフォンから利用者様の状態を確認できるため、安心して夜勤業務を行えるようになった。
- 利用者様の動きや睡眠状態が記録されるため、夜間の過ごし方をデータで振り返ることができるようになった。
今後の展望
- 1時間に1回行っている夜間巡視を、2時間に1回の頻度に減らしたい。
- 取得したデータを活用し、ケアの見直しや健康管理に役立てたい。
- 見守りライフを導入しているユニットの職員が、導入していないユニットのヘルプに回れる体制を整えたい。
導入前の課題・背景
プライバシーに配慮した、高精度なセンサーを求めて
当施設は、京都府内で最も歴史のある、304床を有する大規模特養です。2016年から、より円滑な情報共有と業務の効率化を目指し、インカムやタブレット端末などのICT機器の導入を進めてきました。人手不足がさらに深刻化する将来を見据え、さらなる生産性向上を目指して見守りシステムの導入検討を開始しました。
これまでは床マットセンサーや背面センサーで利用者様の見守りを行っていましたが、これらのセンサーには、同時に通知があると対応の優先順位がつけられないという課題がありました。カメラタイプのセンサーも試しましたが、設定が難しく、うまく活用できませんでした。また、プライバシーに配慮し、極力カメラ映像やシルエット画像で見守るタイプのセンサーは使用したくないという気持ちが強かったことも、活用できなかった要因の1つだと思います。
見守りシステム検討する際、多くの介護製品が出展されるバリアフリー展に足を運びました。特に、ピクトグラムで表現される見守りライフの画面設計は、プライバシーに配慮した見守りをしたいという当施設の考えにピッタリでした。また、通知速度の速さや、カメラやバイタルセンサーを必要な数だけ連携できる点も魅力的でした。他のメーカーの提案も受けましたが、当施設のニーズに最もマッチしたシステムは「これしかない!」と思い、見守りライフの導入を決めました。
導入効果・今後の展望
スマートフォンでいつでも利用者様の状態を確認できる安心感
見守りライフを導入してから4カ月が経過し、夜勤業務の負担軽減を実感しています。以前は居室にいる利用者様の状態が分からず職員が不安を感じていましたが、現在はスマートフォンでベッド上の利用者様の動きを確認できるため、安心して夜勤業務に従事できるようになりました。スマートフォンを見れば利用者様の状態がピクトグラムで視覚的にわかるため、外国人の職員にも好評です。今ではスマートフォンを持たないと不安になるという声が挙がるほどです。
また、当施設では見守りシステム導入の際にプライバシーへの配慮を重視し、カメラタイプのセンサーは導入しませんでしたが、見守りライフは必要に応じてカメラを連携できるため、2台だけ連携しています。 居室に職員が入ることで気分を害してしまう利用者様や、職員の介入により不穏になってしまう利用者様の居室に設置しています。職員がカメラを使って居室に入らずに見守ることで、利用者様が自由に生活でき、職員にとっては訪室の必要性を映像で確認できるお守り的な存在になっています。
今後は人手で行っている夜間巡視を見守りライフに置き換えて、巡視頻度を現在の1時間に1回から、2時間に1回に減らしたいです。巡視を減らすことで、見守りライフを導入しているユニットの職員が、導入していないユニットのフォローができるようになると考えています。
また、利用者様の生活リズムや睡眠状態が記録に残るため、夜間の過ごし方をデータで振り返ることで、ケアの見直しや健康管理などに役立てられると感じています。今後は職員の負担軽減だけでなく、データを個別ケアに活用し、利用者様の生活の質の向上にもつなげていきたいです。

人手不足を見据え、ICT機器で生産性を向上
将来的に今以上に人手不足になることを想定し、ICTを活用して少ない人数でも負担をかけずに対応できる体制を構築するため、当施設では見守りライフを導入しました。こういった取り組みにより、一緒に働きたいと思ってくれる人が増え、より働きやすい環境が整う好循環が生まれることを期待しています。
見守りシステムを検討中の施設の方へ
カメラセンサーを使わずに、精度の高い見守りを求めるなら
カメラセンサーの導入となると、監視されていると感じる職員やご家族が一定数いらっしゃるため、導入のハードルが高いと感じることがあります。見守りライフはカメラ映像ではなく、ピクトグラムで居室の状態を見守れるため、導入のハードルが幾分か下がります。カメラのように映像で見ることはできませんが、利用者様の状態をカメラに近い精度で把握できることは大きなメリットです。また、全床にカメラを導入することはコスト的にもハードルが高いですが、見守りライフは必要な台数だけ導入できます。精度の高いセンサーを求めているけれども、カメラの導入はハードルが高いと感じている施設の方には、一見の価値があると思います。