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見守り機器の選び方|種類や特徴、比較ポイントをわかりやすく解説

介護施設で見守り機器の導入を検討する際、「種類が多くて違いがよくわからない」「自施設に合う製品をどう選べばよいかわからない」と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。
見守り機器は、利用者の安全確保だけでなく、介護職員の負担軽減や生産性向上にも寄与する重要なICT機器です。一方で、機器ごとに取得できる情報や検知方法、運用方法は大きく異なります。
本記事では、見守り機器の種類や特徴、導入効果、選定時のポイントについて解説します。
介護施設における見守り機器とは
見守り機器とは、利用者の状態や行動を把握し、介護職員へ通知することで事故予防や業務効率化を支援する機器です。
主な目的は次のとおりです。
- 転倒・転落事故の予防
- 夜間巡視の負担軽減
- 利用者状態の可視化
- ケアの質向上
見守り機器は、職員の代わりに利用者を管理するためのものではありません。利用者の状態変化を早期に把握し、必要なタイミングで適切なケアを行うための支援ツールです。
介護施設では、すべての利用者を常時見守ることは現実的に難しく、特に夜間帯は少人数の職員で対応するケースも少なくありません。そのため、利用者の起き上がりや離床、睡眠状況などをセンサーで把握し、必要なときだけ職員へ通知することで、安全確保と業務効率化の両立につながります。
また、近年では、通知だけでなく睡眠データや活動状況を記録・分析できる機器も増えており、ケアの質向上や個別ケアの実現にも活用されています。
見守り機器で取得できる情報
機器によって取得できる情報は異なります。
- 起き上がり
- 離床
- 臥床
- 体動
- 睡眠状態
- 心拍
- 呼吸数
- 居室内の行動状況
- 転倒リスクに関する情報
取得したデータは、リアルタイムの見守りだけでなく、ケアプランの見直しや状態変化の把握にも活用できます。
例えば、転倒予防を主な目的とする施設では「起き上がり」や「離床」の検知が重要になります。一方で、利用者の生活リズム改善や夜間ケアの見直しを目的とする場合は、「睡眠状態」や「体動」などのデータが有効です。
そのため、自施設の課題や導入目的に応じて、どの情報が必要なのかを事前に整理しておくことが重要です。
見守り機器の種類と特徴を比較
見守り機器と一口に言っても、検知方法や取得できる情報は製品によって大きく異なります。
介護施設で利用されている見守り機器は、大きく「従来型センサー」「バイタルセンサータイプ」「ミリ波レーダータイプ」「荷重センサータイプ」「カメラタイプ」に分類できます。
それぞれ得意とする見守り方法や取得できる情報が異なるため、まずは各タイプの特徴を理解することが重要です。
従来型センサー
従来型センサーは、介護施設で長く利用されてきた見守り機器です。
主な種類として、
- 床マットセンサー
- クリップセンサー
- 赤外線センサー
- ベッド柵センサー などがあります。
比較的低コストで導入しやすく、多くの施設で利用実績があります。
例えば、床マットセンサーは、利用者がベッドから降りてマットを踏んだタイミングで通知します。赤外線センサーは居室内や出入口に設置し、利用者の通過を検知します。 基本的に1種類の動作のみを検知する仕組みです。
利用者が動き出した後に検知するタイプが多く、「起き上がりの段階で把握したい」「睡眠状態も把握したい」といったニーズには対応が難しい場合があります。そのため近年では、離床だけでなく起き上がりや睡眠状態なども把握できる見守り機器への置き換えを検討する施設も増えています。
メリット
・導入コストを抑えやすい
・操作が比較的シンプル
デメリット
・取得できる情報が限定的
・起き上がり前の検知が難しい
・利用者の状態変化を継続的に把握しにくい
バイタルセンサータイプ
バイタルセンサータイプは、体動や圧力変化を検知するセンサーを利用し、睡眠状態や呼吸数、心拍数などを把握するタイプです。
マットレス下などに設置されることが多く、利用者が機器を装着する必要がありません。
離床検知に加えて、睡眠状況や体調変化の把握にも活用できるため、見守りだけでなく個別ケアや健康管理にも役立ちます。
また、取得したデータを活用することで、夜間の睡眠状況や生活リズムの傾向を把握し、ケア内容の見直しにつなげることも可能です。
メリット
・睡眠状態を把握できる
・心拍や呼吸などの情報を取得できる
・データに基づくケアにつながる
デメリット
・利用者の寝る位置や姿勢によっては、検知結果に影響を受ける場合がある
・データ活用の運用体制が必要
・機種によって取得できる情報や精度に差がある
ミリ波レーダータイプ
ミリ波レーダーを利用して、非接触で利用者の状態を把握するタイプです。ミリ波レーダータイプは、広義ではバイタルセンサーの一種として分類されます。 ミリ波の反射波を利用し、利用者の呼吸による胸部のわずかな動きを検知します。
利用者に触れることなく検知できるため、身体的な負担がほとんどありません。
また、製品によっては起き上がりや離床だけでなく、睡眠状態や呼吸の変化を把握できるものもあります。
メリット
・非接触で利用できる
・利用者への負担が少ない
・状態把握の精度が高い
デメリット
・製品によって価格差が大きい
・壁や天井へ設置するため、設置環境の確認が必要
・利用者本人と介助者を判別できず、介助者の動きに反応してアラートが発生する場合がある
荷重センサータイプ
荷重センサータイプは、ベッド下などに設置し、利用者の体重変化や荷重の移動を検知するタイプです。
ベッド上の荷重変化から、臥床・動き出し・起き上がり・端座位・離床といった状態変化を段階的に把握できるため、事故予防だけでなく夜間の見守りや利用者の状態把握にも活用されています。
利用者が機器を装着する必要がなく、普段どおり生活できる点も特長です。 また、状態変化を早い段階から把握できるため、職員が適切なタイミングで対応しやすくなります。
製品によっては、利用者の活動状況や睡眠の深さ(浅い睡眠・深い睡眠)、体重変化などのデータを蓄積・分析でき、状態変化の把握やケアの見直しに活用することも可能です。さらに、バイタルセンサーやカメラと連携することで、より詳細な状態把握やケアへの活用が可能になります。
メリット
・離床前の動作の検知精度が高い
・利用者への負担が少ない
・転倒予防に活用しやすい
・ベッド上で体重がわかる
デメリット
・ベッド環境によって設置条件が異なる場合がある
・ベッド内蔵型の場合、故障時はベッドごとの修理や交換が必要になる場合がある
荷重センサーでおすすめの機器「見守りライフ」
見守りライフは、荷重センサーによって臥床・動き出し・起き上がり・端座位・離床を段階的に検知できる見守りシステムです。睡眠状態や体重変化の把握にも対応しており、現在使用しているベッドに設置できることも特長です。
カメラセンサータイプ
カメラタイプは、通知を受けた際に映像で状況を確認できる見守り機器です。
例えば離床通知が入った際にも、「すぐ対応が必要な状態なのか」「ベッドサイドに座っているだけなのか」を確認できるため、不要な訪室を減らせる場合があります。 夜間巡視の効率化を目的として導入されるケースも増えています。
一方で、利用者やご家族への説明、プライバシーへの配慮、映像管理ルールの整備が重要になります。
メリット
・状況を視覚的に確認できる
・不要な訪室を減らせる
・夜間巡視の効率化につながる
・居室全体の見守りが可能
デメリット
・プライバシーへの配慮が必要
・運用ルールの整備が欠かせない
・設置環境によって精度が大きく異なる
・利用者本人と介助者を判別できず、介助者の動きにもアラートが発生する場合がある
見守り機器の比較・評価にお悩みの方へ
見守り機器は機種ごとに特徴が異なるため、カタログだけで比較するのは困難です。
資料では、
- 見守り機器選定のポイント
- トライアル時の評価方法
- 比較検討に使える評価シート2種
を掲載しています。
見守り機器を導入検討中の施設様は、ぜひご活用ください。
見守り機器を導入するとどう変わる?
転倒・転落リスクの低減
起き上がりや離床を早期に検知できるため、事故予防につながります。転倒事故は骨折や入院につながるだけでなく、利用者のADL低下を招く要因にもなります。見守り機器によって職員が早期に異変へ気づけるようになることで、事故リスクの低減が期待できます。
夜間巡視の負担軽減
必要なタイミングで訪室できるようになり、職員の身体的・精神的負担を軽減できます。
従来の定時巡視では、状態に関係なくすべての居室を確認する必要がありました。見守り機器を活用することで、必要な利用者へ優先的に対応できるため、巡視業務の効率化につながります。
また、不要な訪室を減らすことで利用者の睡眠を妨げにくくなるという効果も期待できます。
睡眠状態の把握
睡眠データを活用することで、より個別性の高いケアの実施につながります。
見守り機器の中には、睡眠時間や覚醒回数、体動の状況などを記録できるものがあります。これらのデータを活用することで、「夜間に何度も目覚めている」「特定の時間帯に覚醒しやすい」といった利用者ごとの睡眠傾向を客観的に把握できます。
また、睡眠状況を継続的に確認することで、生活リズムの乱れや体調変化の早期発見にもつながります。
例えば、夜間の睡眠が浅くなっている場合は、日中の活動量を見直したり、排泄介助のタイミングを調整したりするなど、データに基づいたケアの検討が可能です。 職員の経験や感覚だけでは把握しづらい情報を可視化できるため、ケアの質向上や利用者一人ひとりに合わせた支援の実現に役立ちます。
情報共有の効率化
利用者の状態をデータで共有できるため、多職種連携がしやすくなります。見守り機器から取得したデータは、介護職員だけでなく看護職員やケアマネジャーなど多職種との情報共有にも活用できます。
「夜間に何度起きていたか」「どの時間帯に離床が多いか」といった客観的なデータを共有することで、経験や感覚だけに頼らないケアの実現につながります。
生産性向上への活用
見守り機器を活用することで、限られた人員でも利用者の状態変化を効率的に把握でき、介護現場の生産性向上につながります。 また、見守り機器の活用は、生産性向上推進体制加算の取得に向けた取り組みの一つとして位置づけられています。 生産性向上推進体制加算の概要や算定要件については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
生産性向上推進体制加算(Ⅰ)(Ⅱ)取得ガイド|要件と機器を解説
見守り機器選定で失敗しないためのポイント

見守り機器は、同じ「離床検知」や「見守り」を目的とする製品でも、検知方法や取得できる情報、通知の仕組みが大きく異なります。
そのため、「有名な製品だから」「他施設で導入しているから」といった理由だけで選定すると、導入後に「思っていた運用ができない」「現場に定着しない」といった課題が発生することがあります。
また、カタログやホームページだけではわからない違いも多く、実際の運用環境で使用して初めて見えてくるポイントも少なくありません。
見守り機器選定で重要なのは、製品同士の機能を比較することではなく、自施設の課題や運用に合った機器を見極めることです。
そのためには、比較する際の評価基準をあらかじめ決めたうえで、トライアルを通じて客観的に評価することが重要になります。
見守り機器選定には「評価シート」の活用がおすすめ
見守り機器選定で失敗する原因の一つが、「比較基準が曖昧なまま評価してしまうこと」です。
複数製品を比較する際は、あらかじめ評価項目を統一しておくことで客観的な比較が可能になります。
例えば、
- 検知精度
- 通知速度
- 操作性
- 設置のしやすさ
- システム連携
- 現場定着のしやすさ
などの項目で評価すると、自施設に合った機器を選びやすくなります。
無料配布中の「見守り機器選定ガイド」では、見守り機器選定の進め方やトライアル時の評価方法に加え、実際の比較検討に活用できる評価シートを掲載しています。
見守り機器の比較・評価でお悩みの方は、ぜひご活用ください。
まとめ
見守り機器には、従来型センサー、バイタルセンサー、ミリ波レーダー、荷重センサー、カメラタイプなどさまざまな種類があり、それぞれ検知方式や取得できる情報が異なります。
離床検知を中心に行いたい施設もあれば、睡眠状態やバイタル情報の把握を重視する施設もあるため、「どの機器が優れているか」ではなく、「自施設の課題や運用に合っているか」という視点で選定することが重要です。 また、カタログや仕様だけではわからない違いも多いため、本格導入前には実際の運用環境でトライアルを実施し、客観的な基準で比較・評価することが成功のポイントになります。
見守り機器の導入は、利用者の安全確保だけでなく、夜間業務の負担軽減や生産性向上も期待できます。自施設の課題や運用方法に合った見守り機器を選定し、安全性の向上と業務効率化の両立につなげましょう。








