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ケアマネ更新制度の廃止はいつ?現役ケアマネが今すぐ取るべき対応を解説

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格更新制度が廃止されることをご存じでしょうか。
2026年6月に成立した「社会福祉法等の一部を改正する法律」により、介護支援専門員証の有効期間と更新制度が大きく見直されることになりました。これまでケアマネジャーは5年ごとに法定研修を受講し、介護支援専門員証を更新する必要がありましたが、今後はこの仕組みが変わります。
一方で、「更新制度が廃止されたら研修は不要になるの?」「更新期限が近い人はどうすればいいの?」「主任ケアマネの更新にも影響するの?」と疑問を抱く方も多いでしょう。 そこで本記事は、施行時期や更新研修の取り扱い、制度見直しの背景、更新期限が近い方や事業所が取るべき対応を詳しく解説します。
ケアマネ更新制度の廃止はいつから?
現在のケアマネジャー(介護支援専門員)の資格は5年ごとの更新制となっています。介護支援専門員証の有効期間が満了する前に法定研修を受講し、更新手続きを行わなければ資格を維持できません。
しかし、2026年6月に成立した法改正により、この更新制度は廃止されることが決まりました。
改正法では、ケアマネジャーの更新制度廃止について「公布の日から1年6か月以内に政令で定める日」に施行するとされています。そのため、制度廃止自体は決定していますが、具体的な施行日は今後の政令によって示される予定です。

参照元:厚生労働省 総務課「全国介護保険担当課長会議資料 令和8年7月15日(水)」
介護支援専門員(ケアマネジャー)とは?
ここで、改めてケアマネジャーの役割について確認しておきましょう。
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護を必要とする方やその家族からの相談に応じ、一人ひとりの状態や希望に合わせたケアプラン(介護サービス計画)の作成や、介護サービス事業者との連絡・調整を行う専門職です。
利用者が住み慣れた地域で自立した生活を続けられるよう、介護サービスや各種支援を適切につなぐ重要な役割を担っています。
これまで介護支援専門員証には5年間の有効期間が設けられており、資格を維持するためには定期的な更新研修の受講と更新手続きが必要でした。しかし、今回の法改正により、この更新制度が見直されることになりました。

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なぜケアマネの更新制は廃止されるのか?
更新制度が見直される最大の理由は、深刻化するケアマネジャー不足です。
近年、高齢化の進展に伴い、居宅介護支援やケアマネジメントの重要性は高まっています。しかし、その一方でケアマネジャーの担い手不足が全国的な課題となっています。
特に問題視されているのが、更新研修に伴う時間的・経済的負担です。
現行制度では、受講者の経験年数や保有資格によって異なりますが、更新研修には32時間から最大88時間以上を要する場合があります。
さらに、以下のような負担も発生します。
- 受講料
- テキスト代
- 交通費
- 宿泊費
- シフト調整
- 事前課題
小規模事業所では「研修のために職員が不在になること自体が大きな負担」というケースも少なくありません。
また、更新手続きの失念や研修未受講によって資格を失効してしまい、そのまま現場を離れるケースも課題として指摘されてきました。
厚生労働省ではこうした状況を踏まえ、人材確保や復職支援の観点から更新制度の見直しを進めてきました。
① 深刻化するケアマネ不足
更新制度の見直しが議論された背景には、ケアマネジャーの高齢化があります。
介護支援専門員の年齢構成を見ると、60歳以上の割合は増加している一方で、45歳未満の割合は減少傾向にあります。現在の年齢構成を踏まえると、今後10年以内に現役のケアマネジャーが大幅に減少する可能性が指摘されています。
また、今後も高齢者人口の増加が見込まれるなか、介護保険制度を支えるケアマネジャーの確保は重要な課題となっています。そのため、更新制度の廃止には、資格保有者が離職しにくい環境を整えるとともに、ケアマネジャー資格を持ちながら現在は業務に従事していない「潜在ケアマネ」の復職を後押しする狙いがあります。


参照元:厚生労働省老健局「幅広い世代に対するケアマネジャーの人材確保・定着に向けた取組について」
一方で、ケアマネジャー不足の要因は、資格取得者の減少だけではありません。
受験者数や合格者数の推移を見ると、令和7年度はやや減少しているものの、受験者数は毎年5万人を超え、合格者数もおおむね1万人前後で推移しています。こうした状況を踏まえると、ケアマネジャー不足の背景には、受験者数や資格取得者数の減少だけでなく、更新研修の負担などにより資格を更新せず、結果として実務から離れた人が一定数存在していた可能性も考えられます。
② 研修時間の負担

こちらは、東京都福祉局が公表している介護支援専門員の資格及び研修の体系を表した図です。法定研修の時間数は対象者によって異なり、32時間以上から最大で88時間以上に及ぶ場合があります。
これだけの研修時間を確保するためには、通常業務との調整が必要になります。特に人員に余裕のない事業所では、研修期間中の人員確保が課題となることも少なくありません。また、研修は複数日にわたって実施されるケースもあり、受講者・事業所の双方に時間的な負担が生じていました。
このような時間的負担は、更新研修の受講をためらう要因の一つとして指摘されていました。
③ 費用面の負担
更新制度に伴う負担は、時間だけではありません。受講料や交通費、宿泊費に加え、事前課題への対応や研修日のシフト調整など、経済的・精神的な負担も発生します。特に小規模事業所では、ケアマネジャーが研修で不在になること自体が業務運営に影響を及ぼす場合もあります。
また、更新手続きを忘れたり、必要な研修を受講できなかったりすると、介護支援専門員証が失効し、業務を継続できなくなるリスクがありました。このような「うっかり失効」や更新時の負担が、ベテラン人材の離職や潜在ケアマネの復職を妨げる要因になっていたことも、制度見直しが進められた理由の一つです。
以下は、都道府県ごとの法定研修受講料を調査した結果です。なお、この金額にはテキスト代や交通費、宿泊費などは含まれていません。
地域医療介護総合確保基金を活用した補助制度の有無によって受講者負担には大きな差があり、主任介護支援専門員更新研修まで含めると、都道府県間で最大約3.6倍の差が生じています。

参照元:厚生労働省老健局「ケアマネジメントに係る現状・課題」

参照元:厚生労働省「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料 令和8年3月」
以下は、法定研修の受講料に対する認識を調査した結果です。受講料について「高い」と回答した割合は74.2%、「どちらかといえば高い」が19.9%であり、「ちょうど良い」と回答した割合は5.0%にとどまりました。多くのケアマネジャーが、法定研修の受講料を負担に感じていることがうかがえます。
また、受講料に対する法人からの補助については、「全額を法人が負担している」が51.2%、「一部を法人が負担している」が13.7%、「全額を自己負担している」が34.0%でした。法人による支援がある一方で、3人に1人以上は受講料を全額自己負担している実態も明らかになっています。

こうした状況を踏まえ、厚生労働省の「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」や社会保障審議会介護保険部会では、ケアマネジャーの専門性の維持・向上を図りながら、更新に伴う時間的・経済的負担の軽減を目指した制度見直しが進められてきました。
廃止後はどうなる?新しい研修制度の方向性
更新制度が廃止された後も、法定研修そのものがなくなるわけではありません。
厚生労働省は、ケアマネジャーの専門職としての資質の維持・向上を目的とした定期的な研修を継続する方針を示しています。
つまり、「資格更新のための研修」から「専門職として学び続けるための研修」へ位置付けが変わるイメージです。
研修は受けやすくなる予定
現在検討されている内容には、次のようなものがあります。
- オンライン受講の推進
- オンデマンド配信の活用
- 分割受講の導入
- 研修時間数の縮減
- 国による教材の一元作成
特に注目されているのが、分割受講の導入です。これにより、従来のように一定期間に集中して受講するのではなく、5年間などの期間内で少しずつ研修を受講できる仕組みが検討されています。
更新制度は廃止されるものの、専門職として継続的に知識や技能を習得していく重要性は変わりません。
そのため、定期的な研修受講は引き続き求められる一方、分割受講や研修時間の縮減などを通じて、受講者の負担軽減が図られる見込みです。
参照元:ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 中間整理」 p.9
事業所の役割も大きく変わる
今回の制度見直しでは、ケアマネジャー本人だけでなく、事業所にも研修受講を支援する役割が求められます。
厚生労働省は、従事するケアマネジャーが研修を受講できるよう、事業者に必要な措置を講じることを求める方向で検討を進めています。具体的な内容は今後省令等で定められる予定ですが、次のような対応が想定されています。
- 研修受講時間の確保
- シフト調整など受講しやすい勤務体制の整備
- 研修受講状況の確認
- 未受講者への受講勧奨
- 受講環境の整備
そのため、事業所では従来以上に計画的な研修管理が重要になります。
例えば、
- 研修受講対象者の把握
- 主任介護支援専門員研修などの申込状況の管理
- 研修日のシフト調整や代替体制の確保
- 受講料や交通費の補助に関するルール整備
といった対応が求められるようになるでしょう。
更新制度の廃止は、単に手続きが簡素化されるだけではありません。ケアマネジャーが継続的に学びながら働ける環境を整え、事業所と一体となって人材確保・定着を進めていくための制度改革として位置づけられています。
更新期限が近い方が今すぐやるべきこと
更新制度の廃止が決まったことで、「もう更新研修を受けなくてもよいのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、現時点では施行日や経過措置の詳細が確定していないため、更新期限が近い方は注意が必要です。
制度が施行されるまでは、現在の介護保険法に基づく更新制度が有効です。そのため、介護支援専門員証の有効期限を迎える方は、原則として現行ルールに従って更新研修の受講や更新手続きを行う必要があります。
「どうせ廃止されるから」と自己判断で更新手続きを見送ると、制度施行前に資格が失効してしまう可能性があります。失効した場合は再研修などが必要になる場合もあり、かえって大きな負担につながりかねません。
特に2027年中に有効期限を迎える方は、今後公表される政令・省令や都道府県からの通知によって取扱いが変わる可能性があります。最新情報を継続的に確認しておきましょう。
個人で確認しておきたいポイント
- 介護支援専門員証の有効期限
- 更新研修の申込状況
- 都道府県からの最新通知
- 勤務先の研修受講方針
- 制度改正に関する国や自治体の情報
事業所が準備しておきたいポイント
制度移行に備え、事業所では次の項目を整理しておくと安心です。
- 在籍するケアマネジャーの有効期限一覧
- 2027年中に更新期限を迎える職員の有無
- 更新研修の申込状況
- 主任ケアマネ研修の受講状況
- 研修日のシフト調整体制
- 受講料や交通費の取扱い
- 行政通知を確認する担当者の明確化
また、特定事業所加算など主任ケアマネジャーの配置要件が関係する事業所では、今後示される省令や通知の内容を継続的に確認することが重要です。
FAQ(よくある質問)
Q. ケアマネの更新制度はいつ廃止されますか?
A. 2026年6月に成立・公布された法改正により更新制度の廃止が決まりました。施行日は「公布後1年6か月以内に政令で定める日」とされており、現時点では未定です。
Q. 更新制度が廃止されたら研修はなくなりますか?
A. 研修そのものはなくなりません。更新のための研修は廃止されますが、ケアマネジャーとしての資質向上を目的とした研修は継続される予定です。
Q. 更新期限が近い場合はどうすればよいですか?
A. 施行日までは現行制度が適用されます。更新期限が到来する方は、これまでどおり更新研修の受講と更新手続きが必要です。
Q. 主任ケアマネの更新制度も変わりますか?
A. はい。改正法では主任介護支援専門員を含め、介護支援専門員証の更新制が廃止される予定です。一方で、資質の維持・向上のための法定研修受講義務は継続されます。主任ケアマネ向けの具体的な研修体系や受講要件については、今後示される省令等で明らかになる予定です。
まとめ

ケアマネジャーの更新制度は、2026年に成立・公布された改正法により廃止される方向となりました。これにより、5年ごとの有効期間に縛られる仕組みは見直され、資格を持つケアマネが現場に戻りやすくなることが期待されています。
一方で、研修が完全になくなるわけではありません。廃止後は、更新のための研修から、専門職として知識・技能を維持するための継続的な法定研修へと位置づけが変わります。
現役ケアマネにとって最も重要なのは、施行日までは現行制度が続くという点です。更新期限が近い方は、「廃止されるから大丈夫」と考えず、必ず現在のルールに従って更新手続きを進めましょう。
今後は政令や省令、都道府県からの通知により、施行日や研修内容、経過措置の詳細が明らかになる予定です。更新期限が近い方は自己判断をせず、都道府県や勤務先からの最新情報を確認しながら対応を進めましょう。
まずは、ご自身の介護支援専門員証の有効期限を確認することから始めてみてください。







